業界ニュースを振り返る ー 数値で見る徳島県インバウンドの可能性
今週個人的に一番気になってるのがエアトラベル徳島の徳島誘客特化サイトです。
これは四国全般にも言えることですが、徳島はインバウンド人気がかなり低い地域です。コロナ前の※2019年のデータでいうと、徳島県は年間の訪日外国人数が8.9万人で47都道府県中44位と、極めて低い数値です。
※「観光庁 訪日外国人消費動向調査」参照
だからと言って日本人旅行者が多いかというと、残念ながらそういうわけでもなく同じ※2019年の日本人旅行者数は717万人で42位なのですが、訪日外国人客数に関しては伸ばす余地があると思っています。
「観光庁 旅行・観光消費動向調査」参照
というのも、徳島県は日本人旅行者と訪日外国人客数を比べると、訪日外国人客数の比率が極めて低い都道府県なんです。計算してみると日本人旅行者の1.24%しか外国人が訪れていないことになります。これは都道府県の中では44位の数値です。そして、この比率を47都道府県でデータで見てみたところ、平均でいうと日本人旅行者の6.1%の訪日外国人客が訪れています。この数値は奈良県や京都府などの訪日外国人客数がめちゃくちゃ多い都道府県によって大きく上振れしますが、中央値でも3.55%でした。そして、奇しくもこの中央値にあたる3.55%の都道府県は同じく四国の香川県です。
つまり、もし徳島県が外国人客数が来る比率をお隣の香川県と同じくらいの水準にできると、計算上は16.5万人もの訪日外国人客が増やせることになります。もちろん、実際には立地など様々な要素が絡み合ってこうなっているわけですし、あくまで数値での分析です。ですが、この数値を見れば外国人客数を伸ばす余地が全然ありそうなことがわかります。
そこで「じゃあ徳島の魅力をアピールしよう」と思ったときに、プラットフォームに依存しているとかなり難しいものがあります。いくら徳島県が良さをアピールして、興味を持った外国人が試しにOTAで徳島に関して調べて見たとしても、徳島の魅力は伝わりきりません。
グローバルOTAが日本の中でもシェアが低い徳島県のためだけに、徳島のバーマップなどを作ってくれるわけもありません。地方が魅力を最大限に伝えるためには、数を最大化することが戦略であるプラットフォームに依存し続けているわけにはいかないでしょうし、独自サイトを作るというのはとても良い戦略だと思います。何も奈良や京都、東京と同じ土俵で戦う必要はないということでしょう。OTAには徳島のスペシャリストもいないでしょうしね。
こう考えると、一部の都道府県は同じような戦略を取るべきかもしれません。ちなみに、都道府県別で日本人旅行者の割に訪日外国人客数が少なく伸びしろがめちゃくちゃありそうなのは、日本人旅行者が1755万人なのに、訪日外国人客数が22.3万人、割合にして1.27%の三重県です。外国人には神戸牛が非常にブランドとして周知されているのに、何故か松阪牛がいまいちなので、そこらへんのマーケティングも含めて売り出したらめちゃくちゃ人気が出ると思うんですが、三重県の方いかがでしょう?