業界ニュースを振り返る ー 捜査に時給問題でバズる業界
今週は、ランキングには乗っていませんが近畿日本ツーリストの捜査が入りました。至極真っ当な対応であり、最大約16億円もの血税を不当に自社の利益としようとした疑いがあるわけですから、モラルもガバナンスもあったもんではないなというところですが、ちょっと気になるのがこのニュースで「旅行屋」さんがされているコメント……いいねの数を見る限り、業界のなかでは「ほかも同様のことをしているのだろう」というのが一般的な意見ということでしょうか。もしそんなことがあったとすれば、本当に血税を投入するような価値がこの業界にあったのだろうかと思ってしまいます。思いたくはなんですけどね……
本題のランキング記事ですが、長崎で森トラストとIHGが新しいホテルを建てる件やドバイ経済観光庁のイメージ戦略に関する話など、インバウンド・国内旅行・アウトバウンドそれぞれに関わるニュースがまんべんなく人気の印象です。最近はコロナもすっかりニュースでその名前を耳にすることが減り、街中でマスクを着用しない人も随分と増えました。それに伴い日本の観光市場も活発化していることが記事のラインナップからも読み取れます。
しかし、ここで気になるのが人手不足。こちらの時給1350円でもホテルに人材が来ないといった記事がネットで少しバズりました。そして、ネットで私がよくみる意見としては「時給1000円を越したら高いなんて昔」「ホテルの業務なんてハードなのに安すぎ」「ホテルが求めるようなレベルの人材なら他のもっといいところにいける」といったような、この記事に対して「当然だ」というのが基本的な論調でした。確かに、時給1350円だと週40時間勤務で月給は22万円程度、職務柄クレーム対応や夜勤もあるでしょうし、リモートワークというわけにもいかず、シフトで働かないといけないなどの成約も多々あるでしょうし決して高待遇とはいえないでしょう。ちなみに、東京都のバイトで試しに時給1500円以上で調べてみたら何万件と求人がありました。
残念ながらコロナのダメージにより、観光産業は経験豊富な人材を多く流出しました。それを賄うために普通に求人をだしても、もうどうしようもないのかもしれません。先月にニセコでホテル清掃に時給2000円出す可能性があるという記事がありましたが、外国人への対応やハードな働き方を考えると時給2000円くらいは出すのが当然になる日も近いかもしれません。