ザ ツバキ タワー、大人のグアムを提案、23年は日本人比率4割を目標

  • 2022年11月1日
柳澤氏

 2020年7月にグアムのタモン地区に開業したラグジュアリーホテル「The Tsubaki Tower(ザ ツバキ タワー)」がこのほど記者会見をおこなった。総支配人の柳澤建氏が開業から現在に至るまでのグアムの現状、運営コンセプトや今後のキャンペーンについて説明し、2023年以降の市場動向を注視しつつ「大人のグアム」という新たな価値観を提案していく。

 ホテルは2014年から構想を練り、2016年に着工、2020年7月に開業。「Power of Nature」をデザインコンセプトにグアムの自然や海、星空などを表現し非日常的な時間を提供。全客室がオーシャンビューで13平米のバルコニーも設けている。施設にはダイニング2つ、バー3つ、テイクアウトカフェといった飲料施設のほか、ルームサービス「Balcony Breakfast」は朝食をバルコニーで楽しめるサービスも用意している。

 柳澤氏によると、2022年の稼働率は9月までは平均68%で、宿泊者数割合は市場の戻りが早い韓国が約65%と大半を占め、このほか米軍関係者が30%となっている。日本市場は約5%にとどまっているが、10月以降は規制緩和により帰国時の新型コロナ検査が不要となり、FITを中心に年末年始の予約が入り始めているという。

 さらに2023年は日本/グアムの航空路線再開による座席数が年間約50万席に増加、また韓国/グアム路線についても約59万席へ増加が見込まれていることから、「現地の旅行関係者の間では、2023年にはパンデミック前の6割ほどまで市場が回復するのではないかという見方もある。当社としても2023年は日本と韓国の市場割合をそれぞれ40%にしていきたい」と語った。

外観

 今後の戦略として、準富裕層、アッパーマス層をメインセグメントに据え「大人のグアム」を提案していく。「近くて親しみやすい」「ファミリー層や団体向け」という既存イメージに、新たな付加価値を加えていきたい考えだ。

 同ホテルを所有・運営するプレミアホテルグループは2005年にパシフィック アイランド クラブ グアムのマネジメントを皮切りに、現在はグアムでホテル・ニッコー・グアム、ハイアットリージェンシー グアム、ヒルトン グアム リゾート&スパ、リーガロイヤル・ラグーナ・グアム・リゾートの計6軒を展開しており、ザ ツバキ タワーの誕生は「ファミリー向け」「グループ向け」など従来のブランドイメージが強いプロパティとは一線を画した「例えて言うなら、グアムの滞在型ラグジュアリーホテルに相応しいホテル」(柳澤氏)という市場戦略の一環。

カメリアジュニアスイート

 また柳澤氏は「客室のみならず、レストランなどのアメニティのクオリティも重要」として、レストランには和食、イタリアン、フレンチなど7人のシェフを招聘。メインダイニングの一つは地元民にも評判で、「地域との関係は大切。これがホテルのPRと評判に繋がる」と力強く話す。

 日本市場に対しては「ようこそ、TSUBAKIへ!宿泊キャンペーン」として2022年12月24日~2023年1月4日に日本から訪れた宿泊者100人に最上級スイートルームをはじめとする宿泊券や食事券が当たるキャンペーンを実施。需要喚起を図っていくほか「一人でも多くのお客様にザ ツバキ タワーの存在を知っていただきたい」として知名度の向上など、PR展開を図っていく考えだ。