大阪城の隣接地にカペラホテルグループの高級ホテル「パティーナ大阪」が25年春開業
アジアを中心にラグジュアリーホテルを展開するカペラホテルグループの最新ブランド「パティーナ」の日本初進出ホテルとして「パティーナ大阪」が2025年春に開業する。場所は大阪城の南隣エリアにあるNTT西日本本社ビル跡地。ホテルの建物は地上20階、高さ102メートルの高層建築で、客室は6階~17階に約220室が配置され最上階の20階がロビーフロアとなる予定で、2023年2月に着工する。
オーナーのNTT都市開発は大阪・関西万博に向けて周辺エリアを一体開発する大阪都市計画の「法円坂北特定街区」プロジェクトを手掛けており、ホテル計画もその一環。10月12日のホテル発表記者会見でNTT都市開発の辻上広志社長は「アジアNo1の観光文化都市を目指す大阪だが、今後ラグジュアリーホテルの供給が4割不足するとの見通しがある」としてその必要性を説明。オペレーター選定の理由については「ラグジュアリーホテルを展開するオペレーターの中でも、ホテルが立地する土地の歴史や文化を尊重し、その特徴を取り入れたホテル作りをおこない、本物の文化体験を提供するカペラホテルグループが、今回のプロジェクト目標には最良のパートナーであると判断した」と述べた。
カペラホテルグループは、世界的な高級ホテルブランドとして知られるザ・リッツカールトンの共同創業者であるホルスト・シュルツ氏が2002年にシンガポールで立ち上げたホテルグループ。旗艦ホテルの「カペラシンガポール」は2018年の米朝首脳会談の会場となったことでも知られ、「カペラホテルズ&リゾーツ」ブランドは2020年と2021年に2年連続で米国の旅行雑誌「Travel+Leisure」の世界ベストホテルブランドの第2位に選定されている。現在はシンガポールのほか、バンコク、ハノイ、ウブド(バリ島)、上海、海南島で事業を展開している。
カペラホテルグループのクリスティアーノ・リナルディ社長によると「パティーナホテルズ&リゾーツ」は、グループにとっては「カペラホテルズ&リゾーツ」に次ぐ2つ目のブランドで、「クリエイティブでデザインにも精通し環境意識も高い新世代の旅行者を対象とする5ツ星クラスのライフスタイルホテルブランド」とのこと。ブランド第1号ホテルは2021年5月にモルディブに開業。「パティーナ大阪」は第2号のパティーナで、日本には初進出となる。
ホテルの最大の特徴はロケーションで、北側は大阪城公園、南側は難波宮跡公園、西側も史跡保存地区に指定されており、ホテルの3方が公園と緑地に囲まれる。そこに唯一存在する高層建築のホテルとして、宿泊客は大阪城や都心、あるいは難波の宮跡の遮られることのない眺望をほしいままに楽しめる。
客室は標準的な客室でも面積が50平米以上と広く、バルコニー付きの客室も用意される。MICE需要の取り込みも重視しており、屋外テラス付きのバンケットホールも備える。このほか天井高8メートルの開放感あふれる屋内プールやスパ・フィットネスエリアが付帯施設となる。
環境への配慮も特徴の一つで、宿泊客用の飲料水をペットボトルで客室に置くことはせず、ホテル内で水をボトリングして提供する。これによりペットボトルに使用するプラスチックの削減や飲料水の輸送に伴って生じるCO2排出を削減を図る。またフードロス対策にも力を入れ、レストランやバンケットから出る残渣物については、ホテル内の施設で一次発酵させることによってごみの削減やごみのエコサイクル化を進める。
NTT都市開発は「パティーナ大阪」と同じくカペラホテルグループの運営による「カペラ京都」を2025年夏に開業予定で、同ホテルグループのブランドを同じ年に関西エリアで2軒開業することになる。このほか「ザ・ホテル青龍京都」、「エースホテル京都」など全国で9軒のホテルを展開しており、今後開業予定の5軒のホテル計画がある。