【広州現地レポート】盛り上がる国内旅行需要、ビジネスジェットにも新傾向
中国建国記念日を含む国慶節のゴールデンウィーク(10月1日から7日)が近づいて、各地で観光需要が高まり、政府の補助金や支援政策が相次いで導入されています。観光関係者は、建国記念日の休暇を年内にお金を稼ぐ最後のチャンスと見なしています。
人気観光地である広東省は、新型コロナウイルスの影響にもかかわらず、消費者クーポン(旅行需要の喚起のため、広東省政府の各都市では最大20%割引のクーポンを発行)と消費政策の奨励により、観光消費需要は高くなっています。8月までは全国各地での厳格な防疫政策により旅行の需要は低く、主要都市の航空券の価格は落ち込んでいましたが、9月に入ってから新方コロナウイルスの流行状況は落ち着き、地方の政策も緩和し始めました。今年の中秋節(9月10日~12日。春節に次いで中国第2番目の伝統的な祝日。中秋節の丸い月は団欒を象徴し、月見、月祭り、月餅を食べるなどのイベントがあります)の休暇中、広東省の観光回復のレベルは中国の都市の中で最高に達しました。さらに国慶節中には広州路線の航空券の価格は大幅に上昇し、主要都市と広州路線の航空券は通常の価格に戻り、一部の便では売り切れが発生しました。
今年の広東省の住民の中秋節の旅行は近距離旅行が多く、キャンプやサイクリングが主流でした。各地で防疫政策が緩和され始め、市民の遊びに出かける意欲も高まり、さまざまな観光スポットに清明節(4月3日~5日)やシルバーウイーク(5月1日~7日)に比べて2倍以上の観光客が訪れました。サイクリングはキャンプに次ぐ人気の遊び方で、時間に余裕のある休暇中は、普段は都会でサイクリングをしている愛好家が、家族や友人と一緒に周辺の景勝地でのんびりとサイクリングを楽しみました。観光客が旅行先を選ぶ時間は大幅に短縮され、広東省を訪れる旅行者の4割近くが旅行前日まで待ってから旅行先を決めています。そのうち、中秋節中は日帰りツアーの受注が6割を占めました。
国慶節休暇中のホテルの予約に関しては、海の見える部屋や温泉などの特別な部屋タイプが人気です。主要なOTAプラットフォームでは、広東省のほとんどのホテルが国慶節中に部屋のキャパシティが逼迫していることを示しており、一部のSNS上で有名な民宿は10月1日から6日すべてのルームが売り切れました。
高まるスカイダイビング人気
スカイダイビング体験の人気が高まり、その費用はますます高くなっています。高度数千メートルのキャビンから飛び出し、短い高速フリーフォールの後、傘を広げ、青い海と青い空を舞い上がる…エキサイティングなスポーツとして、スカイダイビングは近年若者の間で徐々に人気が高まっています。広東省にはかなりの数のスカイダイビングクラブがあり、中規模のクラブは1日100人から200人を受け入れることができます。スカイダイバーの年齢は20歳から35歳が中心で、そのうち60%が女性です。
さまざまなクラブの見積もりから判断すると、1回のスカイダイブの価格は通常2000元(約4万500円) を超えており、ポータブル撮影と専用の写真家の撮影サービスから選択できます。ポータブル撮影は、カメラを自分の手首に装着してクローズアップの撮影を行います。写真家の撮影サービスは、別のインストラクターが同時に飛び降りて、スカイダイビングの全過程を記録します。写真家の撮影サービスを追加すると、スカイダイビングの料金はほぼ2倍になります。スカイダイビングはなぜ高いのかというと、中国の航空機リースの費用は海外よりもはるかに高く、1回の飛行の費用は最低でも4000元(約8万1000円)、最高では1万元(約20万2000円)ほどになるためです。スカイダイビングクラブで使用される飛行機のほとんどは航空会社からリースされており、航空会社がスカイダイビングに直接関与することはなく、スカイダイビング会社が飛行機を購入することもありません。しかし、その価格も人々の熱意を止めることはできません。
また、スカイダイビング体験の人気に伴い、スカイダイビングのトレーニングも人気となっています。スカイダイビングのピークシーズンは5月から10月までで、それ以外はオフシーズンですが、スカイダイビングクラブが提供するトレーニングのスケジュールにオフシーズンとハイシーズンの違いはなく、天気が良ければいつでもトレーニングを行うことができます。通常のコースでは早い段階で2人のコーチが同行し、後半の段階で1人のコーチがジャンプをリードする必要があり、全体の学習プロセスには約2週間かかります。受講者は少なくとも25回の空中トレーニングが必要です。コストは非常に高く、平均価格は4万元(約81万円)以上です。一方で、トレーニング事業のコストは高く、収益性が高くないため、スカイダイビングクラブはこれをコアビジネスと見なしてはいませんが、それでも中国でのスカイダイビングの人気は今のところ収まる様子がありません。