【ベトナム現地レポート】活気が戻るも物価高が懸念、教育レベル上昇で注目の教育旅行

  • 2022年9月21日

ベトナムの教育

 ベトナムでは近年、ホーチミンなどの都市部を中心に教育熱がヒートアップしています。基本的な教育制度は小学校5年制、中学校4年制、高校3年制、大学4年制です。小学校から中学校までの9年間が義務教育になっている点は日本と同じです。高校卒業後、大学や専門学校などに進学しますが、大学は国家大学、国立大学、私立大学があり、トップクラスのレベルは年々上がっています。現在、大学への進学率は30%程度と言われていますが、今後はますます高等教育に進む学生が増えていくと思われます。

市内にある小学校。ベトナムでは親が車屋バイクで送るのが一般的

 勉強する内容は多少日本とは違いますが、少しでもレベルの高い教育を受けて、いい大学に進み、約束された将来を勝ち取りたいという親の気持ちは日本でもベトナムでも変わらないようです。ベトナムは数学、理科などの科目に力を入れており、世界的にもレベルが高まってきており、東南アジアではシンガポールに続く順位だそうです。

 そのほか、多様な語学を学べるチャンスもあります。小学校から英語を学び、一部の学校では高学年で全ての科目を英語で教えている学校もあるそうです。中学校では英語以外に日本語などの言語も選択して学ぶことが出来る学校が増えています。日本語への関心は高まっており高校、大学でも日本語を選択して学ぶ学生が多いのが特徴です。一方で、ベトナムの教育の問題点は、目覚ましい経済発展に伴って、収入格差も生まれており、それに伴い教育格差も顕著になっているのが課題と言われています。

教育旅行でベトナムが注目される理由

 物価高・円安に伴うコスト高はあるものの、日本の教育はグローバル化を目指し、海外学生との交流や文化・歴史・生活などに触れる事や、語学力の向上を促進する為、海外への教育旅行の需要は高まっています。日本は英語学習に力を入れている事から、10年前くらいまでは東南アジアでは、英語の理解度が高くかつ治安などの観点からシンガポールやマレーシアへの渡航が中心でしたが、近年では日本への留学や就業に積極的で教育レベルの向上が著しいベトナムが注目され教育旅行で訪れる学校が増えてきました。

日本の高校の修学旅行での訪問時の歓迎

 学校交流は、ベトナムの学校側はほとんどが歓迎してくれますが、政府の許可を取るプロセスは容易ではなく手続きがやや煩雑ではありますので、早目に準備をする事がポイントの一つだと思います。ベトナムへの教育旅行は、ベトナム人の語学力や教育レベルの高さ、異文化交流、親日的であることからも今後もますます需要が高くなってくると思います。一度交流をして頂ければ、現地の学生や学校の熱が伝わると思っています。