沖縄MICEは「ひらめきや創造性と出会える場所」-OCVBがMICEセミナー&商談会を3年ぶりにリアル開催

  • 2022年9月13日

 沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)は、このほど東京と大阪で「沖縄MICEセミナー&商談会」を3年ぶりに対面形式で開催した。商談会では沖縄から会議施設やホテル、体験プログラムなど29社・団体が参加し旅行会社や業界関係者との活発な商談がおこなわれた。

OCVB会長の下地芳郎氏

 冒頭に挨拶をしたOCVB会長の下地芳郎氏は「コロナ禍でオンラインやハイブリッド形式などの様々なMICEが出てきているが、ひらめきや創造性と出会える場所といったリアルが大事になってくるのではないか」と述べ、オンラインでは出来ない沖縄ならでは、沖縄でしかできないMICEをアピールしていくとした。

 また、下地氏は「世界から選ばれる観光地になるためには、環境への配慮を考えることが必要だ」と述べ、SDGsの取り組みのひとつとして沖縄MICE開催におけるサステナビリティガイドラインを策定したことを報告。「あらためて環境に配慮する観光のあり方に取り組み、さらにひらめきや創造性が高まる沖縄ならではのMICEを追及したい」と意気込みを語った。

 セミナーではOCVB海外・MICE事業部 MICE推進課の比嘉茜氏より沖縄MICEの現状や主催者の事例などを紹介。沖縄では2017年に今後10年のMICE振興の意義・効果や具体的施策等について体系的に整理した「沖縄MICE振興戦略」を策定。さらに2018年には沖縄MICEブランド「OKINAWA Japan」を発表。タグライン「Where inspiration meets」は沖縄が「ひらめきや創造性と出会える場所」であることを提起しているという。

OCVB海外・MICE事業部 MICE推進課の比嘉茜氏

 昨年のMICE開催の実績は、273件でインセンティブの割合が53%と高く過去の傾向と同様だという。尚、ここ数年で開催が最も多かったのは2019年の1638件で、新型コロナが拡大した2020年は490件だった。

 また、主催者やサプライヤーの持続可能な取り組みを支援するツールとして沖縄MICE開催におけるサステナビリティガイドラインを策定しており、共通認識や行動指針、先進事例、取り組みチェック項目などが掲載されており、沖縄らしいSDGsの実現に向けMICE関連の取り組みをまとめている。

 事例では、ハイアットリージェンシー瀬良垣アイランド沖縄がサンゴに悪影響を及ぼす赤土の流出を防止するため、ひまわりなど花の咲く緑肥作物を植え、同時にその花のはちみつを採取することで農家の副収入を生み、持続可能な対策をおこなっていることを紹介。同ホテルは収穫されたはちみつを購入しスイーツやドリンクの開発・販売もおこなっている。

 県内の各ホテルでもフードロスの削減、自社農園の活用、地産地消の取り組みも広がっているほか、脱プラスチック、アメニティや清掃の必要最小限化など環境保全の取り組みも加速しているという。

 また、MICE参加者がSDGsに貢献できる活動として、ビーチクリーンやサンゴの苗植え付けなど沖縄ならではのプログラムも実施している。そのほか、さとうきびの絞りかす「バガス」を活用したかりゆしウェアのレンタルサービスもおこなっており、比嘉氏は「MICE参加者全員でかりゆしウェアを来て沖縄気分を満喫したい。でも沖縄県外では着る機会がない。そんな洋服の大量廃棄問題の改善につながることを期待している」と説明。



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