カンタスが13日から日本線再開、12月からブリスベン、機内マスクも不要に
カンタス航空(QF)は9月8日、東京で旅行業界を対象にしたセミナーとレセプションを開催した。9月13日(現地発は9月12日)から羽田/シドニー線の運航を2年半ぶりに再開するのを前に最新情報の発信や関係の再構築などで販売促進に繋げるのが目的。
QF日本支社長の荻野雅史氏は「やっと(再開)できるようになった」と喜びを語り、検査不要化など要件緩和によって日本人の出国が容易になり、インバウンドについても「ビザも長く続くとは思っていない」と予想。
そして当初は初めからデイリーを予定していたのに対し週3便からのスタートとなるなかでも予約は堅調に推移しており、「今でも毎日増えていて、初便も残席が少なくなってきている。もう少し心配していたが、皆さんがなるべく早く海外に行きたいということをひしひしと感じる」と分析。そのうえで「ツーリズムの一員として海外旅行を復活させていきたい」と語り、協調を呼びかけた。
セミナーでは、カンタス航空の現状について説明。これによると、国内線はすでにコロナ前の事業規模を回復してラウンジの営業もほぼ再開済み。一方の国際線は8月末現在で日本や中国の回復が遅れていることもあって50%程度に留まるものの、年末までに65%、そして来年上半期で84%まで引き上げる計画を立てている。
日本路線は、コロナ前には羽田からシドニー、ブリスベン、メルボルン、関空と新千歳からシドニーに運航していたが2020年3月末ですべて停止。これに対して9月13日に羽田/シドニー線を週3便で再開して10月30日からデイリーへと増便し、そして12月1日には羽田/ブリスベン線も週3便で再開予定。一方メルボルンについては来年3月26日までの運休を決めている。
使用機材はA330-300で、座席数はビジネス28席とエコノミー269席。日本地区営業本部の犬飼克俊氏は学生やインセンティブなどの団体を運べるキャパシティを備えているとアピールするとともに、燃油サーチャージが不要である点も強調。円安による需要減退が懸念されるなかで大きな差別化ポイントとして活用を訴えた。
さらに、9月9日の日本出発分から日本路線を含めオーストラリア行きの国際線と国内線それぞれについて機内でのマスク着用義務が廃止され、乗客が自ら判断すれば良いことになったことも追い風と見ている。
このほか、エコノミークラス機内食のメインディッシュのボリュームが50%増量されたこと、国内線ネットワークや日本航空(JL)とジェットスター・ジャパン(GK)との接続で利便性を高められることなども説明。NDCについても「次世代の販売が可能になるチャンス」と参画を求めた。
なお、セミナーではオーストラリア政府観光局(TA)からもオージー・スペシャリスト・プログラム担当の梅田七海氏が登壇。南オーストラリア州も到着時の検査を取りやめて入国要件がすべてコロナ前と同様に戻ったこと(ただしETAの取得はアプリからのみに変更)、消費者意識調査で旅行体験の認知度が対象デスティネーションのなかでハワイに次いで2番目に高く渡航意欲ありでも4番目となるなど回復期の需要に期待できる結果が得られたことなどを紹介。
また、来年以降に予定されているイベントとしてLGBTQ+の世界的祭典「ワールドプライド」がマルディグラと同時にシドニーで開催されること、オペラハウスが50周年を迎えること、サッカー女子ワールドカップがニュージーランドとの共催で7月と8月に開催されること、さらにラグビーワールドカップやブリスベンオリンピックも開催予定であることなども説明した。
訂正箇所:第1段落第2文
誤:9月13日(現地発は9月12日)から成田/シドニー線の
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正:9月13日(現地発は9月12日)から羽田/シドニー線の
訂正箇所:第7段落第1文
誤:9月9日の日本出発分から日本路線を含め国際線と国内線それぞれに
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正:9月9日の日本出発分から日本路線を含めオーストラリア行きの国際線と国内線それぞれに
お詫びして訂正いたします。