トップインタビュー:Booking.com日本地区統括のブラウンステイン氏
宿泊以外の商品も取扱拡大
データ分析で他社と差別化
-Booking.comでパッケージツアーを販売する可能性はありますか
ブラウンステイン 我々のビジネスモデルとパッケージツアーのモデルは異なる。パッケージツアーはサプライヤーが提供する内容を全て決めており、お客様の選択肢は限られる。ダイナミックパッケージツアーは少しは選択肢が広がるが、あまりお客様がわくわくするようなものが提供されていないように思う。Booking.comは日本国内だけでも2万5000軒の宿泊施設を提供しており、お客様は多様な選択肢から好きなものを選んで予約することができる。
我々の他にもOTAはあるが、Booking.comの特徴は膨大なデータを重視し、データを総合的に分析・活用して戦略を決定する「データドリブン」な会社であるということ。データを活用することで、訪日旅行者や日本人旅行者のニーズを知り、満足度の向上につなげることができる。
-近年はメタサーチが存在感を増しています
ブラウンステイン メタサーチは宿泊施設の認知度を高める上で、とても重要なマーケティングツールであり、我々のパートナーでもある。ただし、メタサーチがマーケティングの全てではない。
例えばユーザーが京都の旅館に泊まりたい場合、重要なのは探している旅館に関連するデータをユーザーに適切に提供できるかどうか。ユーザーは旅館を決めるためにウェブサイトに投稿された宿泊者のレビューを読み、旅館の写真や説明文を見て検討し、予約する。そうした予約に至るまでに必要な全ての要素を提供し、実際の予約につなげることができるのは、メタサーチにはない我々の強みだろう。
-Googleが旅行業に本格的に参入しようとしていますが、どのようにお考えですか
ブラウンステイン イノベイティブな大企業が旅行業界に参入することはとても良いことだと思う。ただし我々は、交通手段や体験など取り扱う商品は増えているが、あくまでも旅行に特化した会社であり、旅行者のニーズを理解し、旅行でしかできない体験を提供することに注力している。数多くのビジネスを水平展開しているGoogleのような企業が、どこまで旅行に特化することができるか。そこが我々との違いになると思う。
-ありがとうございました