エアアジアJ、待望の運航開始、フェルナンデス氏「戦う」
▽旅行各社の期待と懸念が交錯-ジェットスターとも開戦
DJによれば、航空券の販売は自社サイトでの直販に加えて、旅行会社経由でも実施。比率については非公開としている。本誌の調査によれば、JTB中部やエクスペディアなどはすでに航空券の販売を開始しており、名鉄観光サービスはパッケージツアーの造成に向け準備を進めているという。その他にはエボラブルアジアも、このほどDJと認可代理店契約を締結した。
旅行会社からは「運賃が安く、消費者にとっては魅力的」と就航を歓迎する声や、「DJが交通広告や新聞、ウェブサイトなどで就航をアピールしていることが、中部発の旅行需要を喚起する」と今後に期待する声が多く挙がった。一方で「10月末から1月下旬までは中部発の観光需要が減少する。新千歳発の需要もあると思うが、果たして座席が埋まるのか」と懸念する意見もあった。そのほか「販売手順や精算方法が複雑なので、DJの航空券については取り扱いを見合わせている」という旅行会社もあった。
レセプションでは、中部空港代表取締役社長の友添雅直氏も登壇。「DJの成功は我々の成功でもある。DJを強くサポートしていく」と強調した。名古屋市副市長の堀場和夫氏も「『わが町のエアライン』として、末永くバックアップしていきたい」と意欲を表明。「DJには路線の安定化をはかってもらうとともに、多くの地域へネットワークを広げていただきたい」と期待した。
DJは29日の朝には、中部発初便の就航にあわせて空港の搭乗ゲート前で記念式典を開催。同社CEOの秦修氏や友添氏などが挨拶し、就航を祝うとともに今後の成功を祈念した。DJによれば初便には、シートピッチが31インチの「ホットシート」42席、28インチの「スタンダードシート」138席の計180席のA320型機に、166人が搭乗。搭乗率は92.2%となった。新千歳発の初便は99名が搭乗し、搭乗率は55.0%だった。
今後については目標として平均搭乗率87%を掲げる。利用者は主に日本人となるが、エアアジアグループ各社の運航便を利用する訪日外国人旅行者の需要も見込む。
なお、中部についてはジェットスター・ジャパン(GK)が来春を目処に拠点化することを発表している。GKはDJの就航発表にあわせて、新千歳線を含む中部6路線の片道航空券を6円で販売するセールも実施していた。今後の「戦い」に注目が集まっている。
▽DJ、中部/新千歳線運航スケジュール(10月29日~)
DJ0001便 NGO 07時35分発/CTS 09時25分着(デイリー)
DJ0002便 CTS 10時00分発/NGO 12時05分着(デイリー)
DJ0009便 NGO 17時10分発/CTS 19時00分着(デイリー)
DJ0010便 CTS 19時35分発/NGO 21時40分着(デイリー)