関空でCAPAのLCCサミット開幕-「複雑化する市場」に対応
▽日系3社が成長に向け議論、空港に協力要請
日本におけるLCCの展望をテーマにしたパネルディスカッションには、ジェットスター・ジャパン(GK)、バニラエア(JW)、ピーチ・アビエーション(MM)、関西エアポートが参加。GK代表取締役会長の片岡優氏は日本のLCC市場について「お客様の認知度も上がってきており、今後も伸びる余地がある」と述べた一方、ビジネスを拡大するための課題としてパイロット不足などを問題視した。
MM副社長の森健明氏は、関西エアポートで若い副操縦士を訓練するなど、パイロットの育成に注力していることを説明。さらに、訪日旅行者の増加傾向が続くことを歓迎しながらも「LCC市場の成長のためには日本のお客様の搭乗回数をいかに増やすかがポイント」と強調した。そのためには安価な航空券の提供、あらゆる時間帯に便を運航すること、旅行需要を喚起することが必要とし、「3つを組み合わせれば人口が減っても、日本のLCC市場は確実に伸びる」と主張した。
JW取締役副社長の山室美緒子氏は、「LCC専用ターミナルを設けるなど、空港からのサポートが必要」と空港会社に要望。そのほか、成田の離着陸制限(カーフュー)などの規制が「LCCの成長を妨げる要因になっている」と話し、緩和を求めた。
そのほかには日本のLCCのサービスの質についても語り、「高い質をこれからさらに高めれば、日本のLCCはインでもアウトでもさらに利用してもらえる。成長の余地はある」と強調。関西エアポート専務執行役員で航空担当最高商業責任者のグレゴリー・ジャメ氏も「サービスの質は高く、お客様からの抵抗感は少ない」と同調した。