JATA、地方発第3国チャーターに期待、個札緩和で

  • 2016年6月6日

▽地方発の海外チャーター、「地方の旅行会社にしかわからない需要がある」

 吉田氏は「旅行会社が売りやすいITCにするよう、JATAと国土交通省、観光庁の3者の連絡協議会で話し合いを進めてきた」と説明。2013年に用機者と直接契約をした第1種旅行業者に対し、座席の卸売が認められたことで、旅行会社の買取リスクの軽減と販売の多様化をはかることができたが、「地方チャーターの場合は、200席や300席を売り切るのは難しい」ことから、個札販売の緩和に向けて働きかけを続けてきたという。

 吉田氏は「改正により需要が少ない地方チャーターでも、ITCと個札の組み合わせで第3国の航空会社を利用しやすくなった」と語り、チャーター便の増加に期待を示した。同氏によれば、当事国の航空会社のチャーターの数はそれほど多くはなく、日本航空(JL)と全日空(NH)の日系2社も機材不足などにより多くのチャーターは難しいのが現状。特に地方は、ロシアなど第3国の航空会社をチャーターに活用するケースが多いという。

 同氏は地方発の海外旅行チャーターについては「地方の旅行会社にしかわからない需要がある」と説明。また、訪日外国人旅行者の増加も受けて、「双方向チャーターをおこなうことで、航空会社も需要が見込め、安心してチャーターを飛ばせるのでは」と語った。

 航空会社のメリットについては、ITCで一定量を個札販売することが可能になったことで「個札需要の確認が取れ、定期便のテストマーケティングをしやすくなるのでは」とコメント。ITCでレジャーとFITの需要が一定量見込めることで「定期便化の意思決定がしやすくなる」との見方を示した。

 なお、JATAによる調査では、15年度のチャーター(ITC、アフィニティ、オウンユースを含む)は、外国の航空会社によるチャーターが片道ベースで前年比22.9%減の4113便、日本の航空会社は48.8%減の168便で、合計は24.4%減の4281便だった。