JTB首都圏、横浜にウェディング専門店-17年海外3万組めざす
▽横浜本店、15年に年間500組めざす-挙式後の旅行につなげる提案を
横浜本店では2015年までに年間約500組の挙式実施をめざす。生田氏は、銀座は日本各地から人が集まる地域であることから成功する確率は高いと考えていたが、横浜本店は「成功するか試金石」との位置づけ。成功すればさらに店舗数の増加を検討したいとした。なお、銀座本店は売上高、取扱件数で当初目標を大きく上回り、月平均約200組、1年間で約2400組が来店。成約率は42%の約1000組で、このうち600組が13年度中に挙式を実施。平均単価は200万円だった。
横浜本店ではワタベウェディングとクチュールナオコ ウエディングの2社のスタッフが常駐し、挙式の相談を受け付けることが強み。JTB首都圏横浜エリア統括部長の濱中茂氏は「忙しいお客様がワンストップで利用できる環境を作っていきたい」と話した。さらに、JTBのウエディング専門スタッフ7名も配置する。
また、2社の衣裳サロンも併設し、ドレスの取り寄せも可能としたほか、フィッティングルーム3室を設けた。IT技術を活用したフィッティングアプリを銀座店と同様に用意し、ドレスや指輪を自身の写真に合わせて「試着」することも可能だ。このほか、店内には店舗にはカウンター9席と個室1席を用意した。
横浜にウエディング専門店を設置した理由として、濱中氏は横浜はリゾート、観光地として挙式をおこなう場所でもあることから、ブライダル事業が市場に浸透していると説明。しかし、神奈川県の海外リゾート挙式率は、航空アクセスの問題などもあり1都3県のなかで最も低いといい、専門店の設置で需要の取り込みをはかっていく。羽田の国際線増便で海外へのアクセス利便性が高まったことなどをフックに、リゾート挙式をアピールしていく考え。
また、同店舗はJTBトラベルゲート横浜本店内に設置されていることから、挙式後の旅行の利用にもつなげていく。濱中氏によると、JTBでウエディングを申し込む顧客はJTBの利用が初めてのケースが多く、利用者のうち約20%は3年以内に夫婦、または家族でJTBを再度利用する。
濱中氏は海外ウエディングの場合、1年から半年前から担当スタッフと顧客が綿密な打ち合わせを数回に渡り続けるとし、スタッフが顧客の趣味嗜好を理解した旅行の提案できるようになると指摘。挙式後もプランを提案することで、リピーター化に努めていく。このほか、横浜周辺のホテルや旅館、レストランとのコンテンツ提携も実施。海外ウエディング後のアフターパーティの提案などもおこなっていくとした。
また、JTB首都圏では夫婦が改めて誓いを交わす儀式「バウリニューアル」を提案。横浜が2世代、3世代での居住が多く見られることから、家族の交流の時間や絆を深める機会として提案していく。