ハワイ、14年の日本発MICE、10%増へ-隣島の活用アピール
▽隣島でのMICEを強化-座席確保の課題も
また、HTJではMICEの開催地として、隣島のアピールを強化しているところ。今回の来日もその一環だ。インタビューでは各島観光局が、それぞれの特性に合わせたMICEでの活用を訴えた。
例えばオアフでミーティングを開催した後、隣島に移動して島ならではのアクティビティを体験することが可能。カウアイ観光局営業部長のリサ・ナカマス氏は、カウアイ島ではチームビルディングに適したアウトドアのアクティビティが提供できるとし、ビーチでのカヌーレースを例として説明した。
オアフ島のセールス部長の渡辺真理恵氏は、オアフ島は自然や文化体験からショッピングまで多様な素材がある点を強調。ホノルルのイオラニ宮殿やミズーリ号など歴史的な意味を持つベニューを活用することで「何年も記憶に残るイベントができる」と呼びかけた。
ビッグアイランド観光局シニア・ディレクター・オブ・セールスのデビー・ホーガン氏は、世界遺産に認定されたキラウエア火山をアピール。ベニューの一例として「ラバラバ・ビーチ・クラブ」や、ハワイ王族の夏の離宮「フリヘエ宮殿」などを挙げた。
マウイ観光局セールス・ディレクターのシェリー・ドゥワング氏は、農場での料理体験やゴルフなどのアクティビティなどを紹介。ラナイ島やモロカイ島にもフェリーで移動ができるため、組み合わせての観光が可能とした。
ただし、隣島でのMICEは、航空座席の確保が課題としてあがる。日本からの直行便は現在ホノルル線のみで、隣島への便の維持は航空会社にとってコストがかかるため、運賃もコストに見合ったものとなる。便数も限られるため航空座席が取りにくいケースが生まれているのが現状だ。
このため、HTJではLCCの誘致や、日本/コナ線の復活に向け航空会社に働きかけを実施。LCCの参入で日本/ハワイ間が低価格で移動できるようになれば、全体のコストが下がるとの考え。3年前から取り組みをおこなっており、HTJによると「少しいい声も聞こえつつある」という。また、コナ線については、ホノルルの一極集中を避ける事で、航空座席が確保しづらい状況が緩和されると見る。HTJ局長のエリック高畑氏はゲートウェイが2つになることで、隣島へのさまざまなルートが生まれてくると期待を示した。