大手旅行会社の年末年始、ほぼ好調-仕入強化、キャンセル待ち対策も
旅行日数は長期化、出発は年末に集中、早期予約の傾向
旅行日数は長期化する傾向がみられた。日本旅行は日数は増加しており、8日間前後が主流と回答。ジャルパックも昨年に比べ日数は長くなっているとした。JTBやANAセールスも日並びのよさから日数が必要となる中長距離方面が増えているとした。また、阪急交通社によると、近距離の東南アジアでも旅行日数が増加する傾向もあるという。
出発日は12月28日、29日がピークと回答する旅行会社が多かった。ただし、旅行代金が28日の土曜日以降上がるため、直前の26日、27日出発へ移行する動きもあるという。また、楽天トラベルによると年明けの出発に人気が集まる傾向も出てきており、元日を日本で過ごしたあとで海外に出かけられる日並びの良さが影響したと分析している。
旅行者の予約時期は、例年より早めとなった。JTBや日本旅行、クラブツーリズム、楽天トラベルによると、例年以上に動き出しが早いといい、JTBや日本旅行では発売直後から予約が増えているという。また、各社ともに例年より早めに商品を発売し、需要の取り込みをはかったことが影響したとみており、例えばクラブツーリズムや阪急交通社などでは早い時期に商品を発売したことで、5月から予約が入ったという。
座席確保を強化、キャンセル待ちの解消も
予約時期が早期化し、出発日が集中するなか、各社ともに航空座席やホテルの仕入を強化するとともに、予約の分散による需要の取り込みをはかっている。
JTBでは需要の高い方面について、チャーターや航空座席の買い取りなどで座席を確保。また、リテーラーと協力し、早い段階から二重予約を精査し、顧客の需要にあったツアーへ案内することで、キャンセルによる予約変動の最小化をはかっている。さらに間際需要の取り込みをはかり、「年末年始海外旅行へ行こう」パンフレットを追加設定。台湾のチャーター便利用コースなどを追加販売し、順調に予約を伸ばしているとした。
阪急交通社では、キャンセル待ち解消をはかるために仕入交渉を継続。また、出発のピーク日以外の商品を販売し、顧客を誘導していく考えだ。ジャルパックでも12月中の出発のピーク期間は航空座席やホテルなどの確保が難しいことから、1月出発に誘導することで、少しでも需要の取り込みをはかりたいとした。KNT個人やクラブツーリズムも、年明け出発商品に余裕があることから、需要の取り込みを強化していきたいとしている。
ANAセールスもリテーラーと協力し、予約センターなどで航空座席の空き状況をみながら、顧客を誘導していく考え。また、年末年始の旅行を特集したメールを顧客に送るなど、さらなる需要喚起もはかっている。
日本旅行でも、キャンセル待ちが前年の1.4倍であることから、特に混雑する4日、5日の帰国便を避け、顧客に有効な代案を粘り強く提示していきたいとした。同社では商品発売直後は急激に予約が増加したが途中伸び悩んだため、インターネット専用商品や「一押し」など廉価商品を出し、需要の積み増しをはかるなどの対策もおこなっている。
また、楽天トラベルでは、各拠点エリアのホテルに対し、早期在庫確保をおこなった。今後は直前まで販売可能なダイナミックパッケージや、航空券、ホテル宿泊単品の在庫出しの促進をはかり、最後まで販売を強化していく考えだ。