現地レポート:南アフリカ、「質の高さに自信」、ブーム到来で販売拡大へ
南アフリカの基本、ケープタウンとクルーガー国立公園
日本人を惹きつける奥深い魅力-INDABA2013ポストツアー
ワイン、食事や施設の水準に評価
予算に応じた組み立ても
ポストツアーを通して、参加者は観光素材やテーマそのものはもちろん、食事や観光施設にも好印象を持った。歴史や野生動物のワイルドさに、アフリカ最大の経済大国の文化、インフラが備わっているのが、南アフリカ観光における最大の特徴だといえる。
南アフリカの食文化の水準の高さを楽しむ代表といえば、世界的にも人気のあるワインだろう。ワイン造りで300年以上の歴史があり、特に郊外のステレンボッシュは大小約400軒のワイナリーがある国内最大のワインの町となっている。今回訪れた「ゼーベンバッハ」はスパや宿泊施設、会議室も備える大規模ワイナリーで、ワインはもちろん瀟洒なレストランの食事もおいしかった。各時代の建物が残る町自体も趣があり、ハイセンスなカフェやモダンなアートギャラリー、土産物店は、特に女性の関心を引きそうだ。
また宿泊や観光施設では今回、カパマ・リバー・ロッジのほか、5ツ星のウェスティン・ケープタウン、4ツ星のプロテア・ホテル・ネルスプロイトに滞在。参加者からは「どのホテルも水回りが清潔で快適」「観光地のトイレも掃除が行き届いている」との感想が聞かれた。施設の清潔感や快適性も、日本人の満足度を左右する重要な要素である。
治安だが、ツアーの行程中では安全面で気になった点や危険な思いをすることはなかった。ケープタウンの市内観光ではマレークォーターで下車観光をし、再開発地区のビクトリア・アルフレッド(V&A)ウォーターフロントでは自由行動でショッピングを楽しんだ。V&Aウォーターフロントでは入口はもちろん、内部でも所々で警備員が立ち、安心感がある。ツアー客には人通りの少ないところには行かない、身の回りの荷物に気を付けるなどの注意を促すことが大切だが、それはどの海外ツアーでも同様だ。
南アフリカへは南アフリカ航空(SA)を利用した場合、香港からは夜便で約13時間。香港での乗継は約2時間弱とちょうどよく、「遠い」を覚悟していると意外とスムーズに到着したことに驚いた。SA旅客営業部長の小野直子氏は「アンケートでは90%以上の人が満足しており、行けば必ず満足するデスティネーション。自信をもって売ってほしい」と話す。
日本人の旅行先としてはまだまだ成長余力があるだけに、「素晴らしいデスティネーション。大切に育てていきたい」との声も多かった。初心者には一度に多くを盛り込むツアーが求められるが、そこで奥深い魅力を紹介して次に繋げ、一過性の珍しさで終わらないデスティネーションにしていきたい。
取材:山田紀子