業界人が語る今年の意気込みと意見-読者アンケート(2)

  • 2012年2月13日

「価格競争、安売りはやめよう」が圧倒的-業界への意見、要望で

 アンケートでは「業界に対する意見や要望」についてもお聞きしましたが、最も多いのは安売り合戦、価格競争の否定と適正価格販売を求める声でした。例を挙げればキリがありませんが、「安売り合戦のクビの絞め合いはやめましょう。適性な利益確保のための商品造成に協力し、連携を」(その他旅行業関連、男性、40代後半)、「安売りでお客様の争奪戦を繰り返すのではなく、業界全体を収支が合う体制にすることが必要」(第1種旅行会社、男性、50代前半)などなど。

 「いいものを適正価格で販売する。旅行業界に携わる人々も低賃金の長時間労働ではなく、家族と幸せになる」(第1種旅行会社、男性、20代後半)ことを訴える意見もありましたが、こうした声が出るということは現実には“できていない”ことを意味しますから、旅行会社の苦しい現実を突きつけられるように感じます。

 こうした環境下では、「NO-JAL DAYや NO-ANA DAYを設定し、その日だけでも、JALANAを販売しない日を設定して、コミッションカットに対抗して欲しい」(第1種旅行会社、男性、41歳~45歳)という強い意見を出したくなる気持ちも分からないではありません。航空会社への意見という意味では、「燃油サーチャージの捉え方について、一般消費者の立場を考え、対応を検討してほしい」(第1種旅行会社、男性、50代前半)という声もありました。

 また、「シーズンによる航空券の価格変動が広がりすぎ」(第2種旅行会社、女性、40代前半)という方は、多少のシーズナリティはあっても価格差が極端でなければ旅行時期の分散化に繋がり、かえって航空会社の経営にも利するとのお考えで、「自由競争社会であっても、旅行業界が航空業界や経済団体と一緒にその方向性を進めていくことで、旅行客の広がりや旅行会社の未来にも繋がると思う」と提案されています。

 コミッションカットへの対抗策は多少極端かもしれませんが、立場や経歴に関係なく多くの業界関係者が遠慮のない議論した方が業界環境の改善につながるでしょう。そのための場が望まれますし、トラベルビジョンでも多様な意見をご紹介していきたいと思っています。


▽アンケート結果抜粋
エクセルファイル
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