カナダ 秋の東部4州
アトランティック・カナダを訪れるのに、最もおすすめしたいシーズンのひとつはなんといっても秋。メープルやアスペン、ポプラ、そして針葉樹などが生い茂る森が見事に色づき、黄色、朱色、赤、緑など実にカラフルで華やかな秋色を見せてくれます。
華やかな紅葉を楽しみ、また涼しく快適な気候の中で歴史に満ちた街を訪問。大西洋の新鮮なシーフードをお腹いっぱい食べられるのも、この地域の大きな魅力です。
この時期はまた田舎町を巡るドライブもおすすめです。10月末のハロウィーンにむけて、各地で大きなカボチャなどが並ぶ野菜スタンドショップが登場。素朴で豊か、そんな幸せな気分に浸れる光景にいたるところで出会うことができます。


アトランティック・カナダの4州はそれぞれに個性ある歴史と文化、自然に彩られています。ここでは特に、秋の紅葉シーズンにこそ訪れたい各州のおすすめスポットと、その地の楽しみ方をご紹介します。また紅葉を見に訪れたついでにぜひ訪れたい人気の観光スポットも合わせてご紹介します。
のんびりとドライブをしながら紅葉を楽しみたい人におすすめの穴場スポットが、ここ。ケベック州から陸路で入り、アパラチア山脈を越えてセント・ジョン川沿いを南下。ファンディ湾岸のセント・ジョンまで抜けるルートです。アパラチア山脈の高台からは、メープルなどが茂る森が一面を覆う、見事な紅葉の海を見渡すことができます。
ルート上には、先住民の神秘的な伝説が伝えられる滝グランド・フォールや、世界最長390mの長さをもつ屋根付き橋、そして19世紀のロイヤリスト・タウンを再現した歴史村キングス・ランディングなど見所も点在しています。
州内だけでも375kmと少々長距離のドライブになりますが、途中経由地のフレデリクトンなど、静かなロイヤリスト・タウンに宿を取り、街の散策も合わせて2〜3日かけてゆっくりと旅をしてみては。
セント・ジョンは世界最大の干満差を持つファンディ湾に面していますが、ここから湾に沿ってさらに150キロほど進むと、この干満差による激しい潮流が作り出した奇岩ホープウェルロックがあります。この地点での潮の干満差は最大14m。実際満潮時にはそこには小さな島が浮かんでいるだけのように見えるのですが、およそ6時間後の干潮時には、底まで干上がり、屹立する岩が出現。1日2回繰り返す潮の流れに洗われ、キノコのようにくびれた不思議な姿を見せてくれます。干潮時には干上がった岩の根元まで下りて海底部分の散策を楽しむこともできます。


アトランティック・カナダでもっとも有名なシーフードといえば、やはりロブスター。この地域の冷たく澄んだ海水はロブスターが生息するのに最適といわれ、世界最大の漁獲量を誇っています。
この地域ではどこでもロブスターを採ることができますが、乱獲を防ぎ安定した漁獲量を維持するため、地域によって収穫の時期と量が定められています。このため、アトランティック・カナダでは1年を通じてどこかでロブスター漁が行われており、いつ訪れても獲れたての新鮮な味わいが楽しめます。
食べ方はさまざまですが、そのぷりぷりとして甘みのあるおいしさを味わうには、やはり茹でたての殻つき丸ごとに、手づかみで挑む方法。このときばかりは上品な作法など忘れ、思い切りダイナミックにかじりついてください。味付けはシンプルにバターやレモンのみ。口の中に甘く豊かなおいしさが広がります。このほか、茹でた身をパンではさんだロブスターロール、ジャガイモなどと一緒にとろりと煮込んだロブスターチャウダーなども絶品です。
