南アフリカの新素材サンシティ・リゾート
客層、MICEなどツアーバラエティが拡充
南アフリカの旅行するメリットとしてあげられるのが、アフリカ旅行の目的である野生動物や大自然、そして文化など日本人が求める「アフリカらしさ」に、気軽に触れることができることだ。ヨーロッパからの観光客を受け入れてきた歴史も長く、国内全域に交通や宿泊、そしてサービスなどの観光インフラが整っている。南アフリカ観光局では今年、首都プレトリア近郊にあるリゾート、サンシティのプロモーションを開始。南アフリカ出身で世界的に有名なゴルファーのゲイリー・プレイヤーが設計したゴルフコースや、4つのリゾートホテル、そして数多くのアクティビティ施設が複合する同リゾートは、世界各地から毎年多くの観光客が訪れている。(取材協力:南アフリカ観光局)
初のアフリカ旅行者の「導入編」に
「サンシティ・リゾート」は、南アフリカの観光の利便性を集約したともいえるデスティネーション。リゾート内にはゴルフコースに加え、サイクリング、乗馬、気球、象乗りなど、大自然を満喫できるアクティビティが100以上も用意されている。その他、ビッグファイブと呼ばれる野生動物(ライオン、ゾウ、サイ、ヒョウ、バッファロー)をはじめ、50種6000頭以上の哺乳動物が生息する「ピーランズバーグ国立公園」と隣接しており、アフリカ旅行の醍醐味であるサファリ体験も、各ホテルから20分から30分程度のアクセスで、気軽に動物に出会える可能性が高い。
また、アフリカ文化を体験できる施設も充実。例えば、「カルチュアル・ビレッジ」では、バレンバ、バペーティ、バツワナ、ンデベレ、コサ、シャンガーンなど、南アフリカを代表する部族の生活の様子や挨拶などを教えてくれる。伝統的な衣装を身に着けたスタッフの、迫力あるダンス披露もある。ぜひ体験して欲しいアクティビティは、アフリカン・ドラム。直径30センチほどのドラムをひざで抱えて叩くもので、叩く強さ、場所によって音や響きが違う。レッスンはドラムの先生の指導のもとおこなわれ、最初は叩き方、そしてリズムの取り方を習い、最後は全員で合奏。明るい先生のドラムレッスンは笑いがこぼれ、たとえリズムを間違っても、合奏を乱しても、参加者からは笑顔がこぼれる。旅のはじめに組み込めば、後々の旅程をリラックスして楽しめるに違いない。
そして日本人にアピールしたい特徴として、リゾートの警備体制もあげられる。リゾート自体が、国が管理する国立公園と広大なゴルフ場に囲まれ、まさに大地の囲いに守られている。さらにリゾートの敷地をフェンスなどで取り囲み、ゲートを設けて宿泊客や日帰り客を照合して人の出入りを管理。各ホテルには24時間体制でガードマンを配置している。しかし、ホテル内では物々しい印象がなく、リラックスした滞在が可能だ。また、アフリカの旅行ではマラリアの予防が気になるところだが、南アフリカ観光局によると、南アフリカでは北東部以外にはマラリアを媒介する蚊の生息が見られず、サンシティのある中央部は心配なく過ごせるという。「アフリカ旅行をしたいけど、少し不安」というような初めての旅行者には、サンシティを活用した旅行を提案するのがよいだろう。
アフリカでリゾート気分を満喫、高額商品との組み合わせも
リゾート内にあるホテルのひとつ「ザ・パレス・オブ・ザ・ロスト・シティ」(ザ・パレス)は、リゾート内の5ツ星最高級ホテルだ。ジャングルの中の宮殿というコンセプトだけあり、エントランスやロビーはエキゾチックな雰囲気を保ちつつも、絢爛豪華。近年は都会的でシンプルな、洗練されたデザインのリゾートホテルが多い中、逆にザ・パレスの内装は新鮮に見える。
ザ・パレスでは、アクティビティのみならず、滞在そのものも楽しみになる。たとえば、朝食のビュッフェに行くと、会場の「クリスタル・コート」でサックスの生演奏がお出迎え。そして席に案内される前に、シャンパンやパッションフルーツなどが振舞われ、これから始まるリゾートでの1日に期待が高まる。
同じ会場は午後になると10種類以上のスイーツが並び、アフタヌーンティーが始まる。10種類以上の中から好きなお茶を選び、サンドイッチやキッシュがのった三段プレートが運ばれる。スイーツはビュッフェ形式で好きなだけ食べることができ、女性にはうれしいポイント。戸外のアクティビティを楽しむ宿泊客が多い日中の館内は、1日のなかで一番静かな時間。ホット・ロックなどを用いたメニューが特徴的なスパなどをあわせ、お城のような館内でくつろぎの時間を楽しむことも一興だろう。
南部アフリカを周遊した後、プレトリアかヨハネスブルグに一泊してから帰国するというツアーも多く、それに代わる滞在先としてザ・パレスを組み込むのもよいだろう。特に、豪華列車の「ブルー・トレイン」や「ロボス・レイル」を利用した高額商品の旅のしめくくりとしておすすめだ。日本へのロングフライトを前に、旅で疲れた体を休めるだけではなく、リゾートの楽しみを味わうことができ、旅行者の満足度を高めることができるのではないだろうか。
MICEのデスティネーションとして
リゾートの中心部にある「エンターテイメント・センター」には、立食形式で約700人収容の会場が2つ、スクール形式のカンファレンスで1200人が着席できる会場が1つあり、大規模なコンベンション施設も充実している。
毎年多くの企業が同リゾートでミーティングやコンベンションを実施しており、最近ではIBMが600人で22日間の会議を実施した。サンシティのディレクターであるボリス・ボーンマン氏によると、「リゾート内のアクティビティや施設をうまく利用することで、安全でアフリカらしいユニークな会議やパーティを開くことができるとオーガナイザーに好評だ」という。日本からの場合は、インセンティブの意味を兼ねたMICEに最適だ。
ミーティングの後は、ゴルフやカジノだけではなく、ピーランズバーグ国立公園でのサファリ、その後はゲーム・ミートのバーベキューなど、アフリカらしい体験を盛り込んだ滞在を提案できる。アフリカン・ドラム体験などのアクティビティも、単なる余興としてだけではなく、社員間のチーム・ビルディングとしての活用に有効だ。もちろん、ザ・パレスに滞在する豪華なアフリカン・リゾート体験は、インセンティブ旅行にはうってつけだろう。また、24時間体制でリゾート内がしっかり警備され、子供が一人歩きできるほどの安全が保たれている点も評価されているという。