ニセコのPMSからリゾート予約プラットフォームへ-RoomBoss代表ジュリアン・カー氏

宿泊施設も旅行会社も予約完了までワンストップで
観光産業の人手不足にも貢献

 北海道ニセコのホテルやコンドミニアムの客室管理システムからビジネスを開始したRoomBossは、その後、宿泊予約エンジンの提供も開始。さらには宿泊施設だけでなくスキースクールや空港バスなど関連サービスも含めた予約プラットフォームを開発し、展開エリアは日本国内の複数のスキーエリアやインドネシア、タイのリゾートにも広がっている。オーストラリア出身でこの事業を立ち上げたジュリアン・カー代表取締役にこれまで歩みと今後の事業展開について聞いた。(聞き手:弊社代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人 岡田直樹)

RoomBoss 代表のジュリアン・カー氏

-RoomBossをニセコに設立した経緯を説明してください。

ジュリアン・カー氏(以下敬称略) 私がニセコに来たのは、スノーボードで知ったニセコが好きになって、自然もキレイなので住んでみたいと思ったからです。はじめはワーキングホリデーで東京に1年間滞在し、時折ニセコを訪れていました。オーストラリアに帰ってからはキヤノンの現地法人でエンジニアとしてリサーチ関連の仕事などをしていたのですが、日本ともやり取りをしていたので日本語も勉強できました。その後もニセコのことは頭から離れず、そのうちにニセコの観光ビジネスが膨らんできて、面白い仕事のチャンスが増えそうだと思ったので移住することにしました。

 RoomBossを設立したきっかけは、2000年代半ばからコンドミニアムがかなり増えてきて、ニセコのコンドミニアムやホテルの客室管理システム(PMS)のニーズが増えていると感じたことです。もともとソフト・エンジニアの仕事をしてきたので、その経験を生かしてPMSとしてのRoomBossを開発し、システムと同じ名称の会社を設立しました。それが2006年のことです。

 コンドミニアムがPMSに求める大切な機能は、物件を管理する会社がオーナーに対して、清掃費等の運営に関わる経費と売上をレポートしたり、そのデータに基づいて収益を配分する機能でした。そこでニセコのホテルのPMSとしても使えて、コンドミニアムのPMSに求められる機能も備えているシステムを作ればニーズが大きいと考えました。

-当時は他にコンドミニアムのPMSはなかったのですか。

カー あることはありましたが、日本語と英語の両方で使えるものはとても少なかったです。また、ニセコのコンドミニアムを管理していた会社には旅行代理店のような仕事をしているところが多く、宿泊以外にも空港バスやタクシー、スキー場のリフト券、レンタルスキーなど、色々なサービスを提供していました。関連するサービスは1グループで10から20アイテムになり、管理がとても大変。さらに、お客さんから変更依頼も来ます。そこで、最初はNISEKO HANAZONOリゾート、バス会社の北海道アクセスネットワークなどのニーズに応えるシステムとしてRoomBossを作りました。

 RoomBossは宿泊管理をする会社にシステムを提供するだけでなく、海外の旅行会社が宿泊施設だけでなくニセコのアクティビティもオンラインで予約できるように工夫しました。RoomBossを使えば、日本の旅行会社も海外の旅行会社も、ニセコにどんな宿泊施設があって、どんなアクティがあるのが探すことから始めて、予約完了までワンストップで作業できます。請求も簡単で、変更の確認にもすぐに対応できます。

-変更対応のミス発生のリスクも減りますね。

カー RoomBossを予約エンジンとしてBtoB利用することもできます。例えば宿泊施設なら、自社のホームページからRoomBossに遷移させ、宿泊だけでなくアクティビティも販売し、それらの素材をパッケージとしてオンライン予約して1ペイメントで注文できます。他社のアクティビティを、自社の宿泊と合わせてまとめて販売できるわけです。

次ページ >>> 日本の地方で受け入れられた理由