【発行人コラム】今年中に海外ヘ行くのはどんな人達なのか

  • 2022年4月21日

 現状、実際に海外に行きたいと思っても、PCR検査やアプリのダウンロードを含めたドキュメントの用意等々の手間と費用、燃油及び航空運賃やホテルの高騰、そしてなによりそれらのプロセスがいつ何時変更されるのかも分からない不安が有り、大半の方が二の足を踏んでいる状態かと思います。

 一方、3月の出国者数は7万人を超えています(JNTO速報値)し、今後も波はあるものの、おそらく出国者数は増えていくものと思われます。

 ではこの状況で今及び年内に海外へ行かれるのはどんな人達なのか、筆者の私見を今週は書かせて頂きます。

まず、実際に3月に海外渡航をした直接の知人に共通するのは、

・コストを含めた渡航の決定に他者の承認を要さない
・不測の事態が起こっても対処する自信がある
・仮に帰国予定が伸びても仕事を含め対応出来る
・渡航することが、今又は将来に定量・定性的に大きな意味があると確信している

要するに旅行会社を含め、基本的に他者の手助けを必要としない方々です。

 一方当社が航空券の手配等に関わらせていただいた方々の多くは赴任・帰任者、留学生、どうしても今行かなくては解決しない課題をお持ちの出張者となります。

 そして今後に関しては、日本の出入国規制のさらなる緩和、風潮の変化に伴い、以下のような方々が海外渡航の先陣を切られると想像しています。

・業務渡航、最終的にコロナ前の量的水準には最も戻りにくいが、最も早く動く
・観光FIT、ある程度海外旅行慣れしていて、経済的にも余裕があり、他者に先んじて動くことに価値や喜びを感じる層
・VFR、2年以上会えていない知人や家族との再会を目的に渡航する人々

 上記の想定が正しいかどうかは分かりませんが、どんな方がどのような目的で渡航し、その内の誰がどのようなサービスを必要とされるのかを想像し、一足先に適正価格(決して無謀な安売りはせず)で提示していくことも、需要回復には欠かせないのでは無いでしょうか。

岡田直樹
㈱エフネス代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人。27歳でエフネスの前身㈱ルゥエストを創業し、32周年にあたる今年に至る。旅行素材のホールセール、観光関連企業への決済サービス提供、緊急対応代行、業界誌トラベルビジョン運営等々、主に観光産業内のB2B事業に携わる。
㈱ティ・エス・ディ代表取締役、一般社団法人インバウンドデジタルマーケティング協議会理事、㈱ミックナイン社外取締役​