航空機のシェアリングサービス「エアシェア」、観光インフラの新たな選択肢となるか

  • 2022年1月17日

 2017年設立、帯広に本社を構えるエアシェアは、稼働していない航空機のオーナー、パイロット、旅行者の3者をオンラインでマッチングする、国内初の航空機シェアリングサービスを展開しており、国土交通省航空局から適法性と安全対策が認められている。エアシェアCEO進藤氏はこのサービスを「新たな交通手段の一つになる」と自負するが、どのようなサービスか、観光産業にどのような影響を与えるか探っていく。

国内初の航空機シェアリングサービス

 先程も述べたようにエアシェアは「航空機のオーナー」「パイロット」「旅行者」の3者をマッチングさせる事業を展開している。利用者はウェブ上で、日時・人数・目的地(空港)・航空機・パイロットなどを選択オファーすることができ、条件が合えばマッチング成立となる。地方空港や小規模な滑走路なども選択できるため、より自由度の高い旅程を組むことができる。

 航空機やパイロットは登録制になっており、機体のオーナー側は運用機会が高まることで、収入に繋がる。パイロット側は収入はもちろん、飛行経験の増加など、エアライン就職を志すパイロットにはその手助けとなる可能性もある。

 2021年9月1日時点での航空機の登録数は28機、パイロットは27名が登録している。この登録者数は今後伸びるというのがエアシェア社の見立てで、国土交通省に登録されており、且つ耐空検査(自動車でいう車検)を通っている小型航空機は約250機(登録だけであれば約700機)ほど存在し、パイロットに至ってはライセンスを持ちながら、プロとして操縦に携わっていない方は毎年150名程輩出されていると、エアシェアCEOの進藤氏は見ている。

実際に登録されている機体

パイロット不足に貢献する?

進藤氏

 今回エアシェア進藤氏に色々とお伺いした際「日本の航空業界は裾野が広がっていない」というお話が印象的だった。確かにエアラインのパイロット不足という話はよく話題にあがり、事実エアラインのパイロットの年齢の上限は時代を追うごとに上がっている。

 エアラインのパイロットになるための「定期運送用操縦士」という資格には、総飛行時間1500時間以上の経験(※)が必要になるが、エアラインのパイロットになるための主な経路が航空大学校に入るか、エアラインの自社養成パイロット制度しかないのが現状である。またこの経路で言えば、年齢的に航空大学校受験資格の20歳からが最短という状況だ。
※2021年12月時点。詳しくは国土交通省のHPをご確認ください。

 この状況では時間の積み上げが難しく、エアライン就職の前段階での必要経験の会得が厳しい状況だ。進藤氏は経験の積み上げが難しい現状を「不健全」と評していたが、エアシェアのシェアリングサービスを活用することで、小型飛行機での経験を積むことができ、結果的にはエアラインのパイロット不足へも貢献できるのではないかと感じているという。

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