家族を大切にするメキシコのクリスマス、近年は国内旅行も増加ーカンクン・メキシコシティ現地レポート

  • 2021年12月20日

メキシコシティ

 9月のビッグイベント「独立記念日」に続き、12月はメキシコの人々にとって重要な月です。クリスマスの雰囲気に包まれたメキシコシティの様子をお届けします。

 スペイン語圏であるメキシコでは、クリスマスを「NAVIDAD(ナビダ)」と言います。クリスマスが近づきますとメキシコシティのメインストリート「レフォルマ通り」にて、シティ南部ソチミルコ地区で栽培されているポインセチアの市場が開かれます。赤、白、ピンクのポインセチアに覆いつくされ、季節の風物詩にもなっています。

レフォルマ通りで販売されるポインセチアの鉢

ソチミルコで栽培されるポインセチア

 12月、メキシコはクリスマスだけでなく、メキシコで最も敬愛される聖母グアダルペ・マリア様の誕生祭が12日、続けて12月中旬にはポサダと言われるカトリックに纏わる行事があり、学校や自治会等でお祝いをします。ピニャータと呼ばれるくす玉にお菓子を入れ、子供達は目隠しをして棒を持ちピニャータをたたき割ります。このピニャータ、伝統的な物は星の形をしていますが、テレビや映画のヒーロー等、人気キャラクターの形をしたものもあり、子供たちにとっては欠かすことのできないイベントです。

ピニャータ

 ちょっと気が早いようにも感じますが、スーパーマーケット等では10月辺りからクリスマスに関するグッズの販売が開始され、12月になれば売り場一面関連グッズで埋め尽くされます。またメキシコのクリスマスは「恋人達が祝う」ロマンチックな催事ではなく、家族や親戚が集まり一緒に祝うイベントです。メキシコでも各家庭でクリスマスツリーを飾りますが、カトリックの信者が約80%の為、ツリーだけではなくイエス・キリストの誕生を祝うナシミエントと呼ばれる人形も飾られ、12月24日深夜、中央に誕生した赤ちゃん(イエス・キリスト)を置き、家族みんなでその誕生の喜びを分かち合います。門や窓にクリスマスの飾りやイルミネーションを取りつける家庭も増え、ソカロ広場では毎年この時期にクリスマスと新年を祝う綺麗なイルミネーションが施され、街全体がクリスマスに染まります。

スーパーマーケットで販売されるクリスマスグッズ

教会の祭壇近くにキリスト誕生を祝うのオブジェを設置

 近年では他の都市からメキシコシティへの訪問者が増えているそうで、以前よりホテルも盛況だとか。伝統的な過ごし方にも変化が見えているようで、各ホテルのロビーには巨大なクリスマスツリーが飾られ、雰囲気を盛り上げています。

ホテルのロビーに設置される巨大なクリスマスツリー

 家族や親戚を大切にする国民性を感じることのできるメキシコのクリスマス。来年は是非、普段とは異なるメキシコを現地で実感して頂ければと思います。

ソカロ広場のイルミネーション

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