ハワイの「今」を駐在員の視点から-待望の規制緩和、賑わいを戻しつつあるワイキキ

ハワイにおける現在の規制緩和の状況

 ハワイ州では7日間の平均値と陽性率を規制緩和の指標としています。現在のハワイは、昨年10月から約4ヶ月つづいたティア2を脱し、2月25日よりティア3に移行しています。

オアフ島におけるリオープニング・ストラテジー
ティア1ティア2ティア3ティア4
新規感染者数(7日間平均値)100名100-50名49-20名20名未満
陽性率5%5-2.5%2.4-1%1%


 5名限定だった屋内・屋外の集会は10名まで許可となり、レストランや娯楽施設でも家族単位での活動ではなく、友人たちと一緒に社会的な交流が楽しめるようになりました。店舗面積により入店可能人数が定義されていた小売店では、人数制限が25%から50%へ緩和されました。大型店では入店のために並ぶことはなくなりましたが、小規模店では依然入店のために並ぶことも少なくありません。

賑わいを取り戻しつつあるKCCファーマーズマーケット

ワイキキの目貫通り、ロイヤルハワイアンアベニューでも貸店舗の看板が増え始めました

 新たなステージへの移行は、現地ツアーにも大きな変化がありました。商業用ボートの乗船率も50%まで緩和となり、これまでよりも賑やかなツアー催行が可能になっています。

ハワイにおけるワクチン接種状況

 12月中旬から始まったワクチン接種ですが、米国本土の悪天候による輸送遅延など問題が発生したこともありますが、概ね下記スケジュールに沿って順調に行われています。

フェーズ1Aフェーズ1Bフェーズ1Cフェーズ2
カテゴリー医療従事者
介護施設居住者
エッセンシャルワーカー
高齢者(75歳以上)
成人(65~74歳)
高リスク病状のある人(16~64歳)
その他の人(16歳以上)
人口比6%20%47%27%
開始時期実施中実施中2021年春予定2021年夏予定
*エッセンシャルワーカー:刑務官、郵便局員、教職員、公共サービス従事者


 現在の進行フェーズは、フェーズ1Bに該当する高齢者(75歳以上)の半数超が1回目の接種を完了し、州民全体の約15%が接種完了と発表されています。フェーズ1Aの介護施設の居住者やスタッフの2回目のワクチン接種率も78~90%と全米平均の2倍のスピードで実施されており、数日内にはフェーズ1Cグループから、70歳以上の成人が先行して接種が開始される予定です。

 ワクチンの接種場所ですが、ホノルル港2番埠頭とニールブレイズデルセンターの2ヶ所での大規模な新型コロナウイルスワクチンセンターに加え、コミュニティ・ヘルスセンターなど30ヶ所の小規模ワクチン接種スポットでおこなわれています。また、3月からはロングスドラッグスなどの薬局で接種も可能になりました。

 接種されているワクチンですが、ファイザー社、モデルナ社のワクチンに続き、1回接種のみで可能なジョンソン&ジョンソン社のワクチンも3月15日より開始予定です。ワクチン接種への関心を調べた調査データでは、ハワイ州民の約91%が接種を希望するという回答結果が報じられています。年齢別では、35歳未満は35%、35~49歳で51%、50~64歳で61%、65歳以上では78%と、若年層は関心が低くなる傾向にあるようです。