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観光産業が意識すべきBCP対策-医学博士 古本尚樹氏寄稿

  • 2021年2月19日

緊急事態宣言やGO TO停止
北海道の現状と影響をふまえ

 新型コロナの影響は、北海道の基幹産業である観光や旅行などの産業に壊滅的な影響を及ぼしている。今、札幌市内の歓楽街ススキノは以前と様相がすっかり様変わりしてしまい、札幌市内のみならず北海道全体の景気は極端に冷え込んでいる。

 皆様、はじめまして。現在、防災・危機管理アドバイザー(博士[医学])をしています、札幌市在住の古本 尚樹(ふるもと なおき)です。専門分野は、新型コロナウイルス対策(特に住民・自治体・企業対策、また企業の従業員健康や雇用への対策、企業業務継続計画(BCP)、経済との関係等)、企業危機管理、災害医療、自然災害における防災対策・被災者の健康問題等になります。

 今回は新型コロナが北海道に与えた影響と現状、それにともないコロナ渦中にあって企業が意識すべきBCP(業務継続計画)対策についてお話しをしていきたいと思います。


コロナが観光産業に与えた影響

 コロナ関連での道内の倒産件数はこの原稿を書いている段階(2月3日時点)で30数社にのぼっている。その少なからずが観光やレジャー、また海外からの観光客をメインにした(更に顧客対象を海外向けに変えた)飲食店などだ。スキー場などのリゾートや中国からの観光客を見込んだ老舗寿司店、またDUTY FREEをメインにした中国資本のドラッグストアまでが観光地の小樽等から消滅した。この波及的な影響は北海道では深刻だ。札幌市内中心部では加えてコンビニエンスストアに至るまでが、閉店に追い込まれている。

 

 札幌の奥座敷、定山渓温泉街では今(2月3日)、ホテルなどほとんどの宿泊施設が休業しており、年間当たりの利用者の減少は50%と半減している。函館も朝市や湯の川温泉におけるGOTO延期の影響は大きく、やはり観光客はまばらである。こういう風景は道内のほとんどの温泉地で変わらず、「閑散」この言葉以外見つからない。

 

 新千歳空港は国際路線拡大に北海道など関係機関が尽力して、昨年、長距離の欧州路線として復活したフィンエアーを含め、このコロナの影響で今は運行されておらず、観光客の入りが止まったのと連動して、道内の観光産業も動きが止まっているのだ。

 

インバウンドへの傾倒

 道内のうちニセコなど後志地区や、最近では富良野などでは、外国人資本が入り、外国人の居住者・従業員が増えている。ニセコではオーストラリア人から人気が出て、多くの外国人が居住して、働いていた。その彼らが失業者になっている。道民のみならず、観光従事者の外国人も職を失っているのだ。かれらは容易に帰国もできないために、NPOなどによるフードバンク等から食事支援など受けて、生活している人が少なくない。

 

 観光資源が豊富な北海道において、それを糧に商売ができることは幸せな事だと思う。国内からの観光客取り込みに限界があり、そのため海外、特にアジア圏、中国からの大量の観光客を取り込んでいることでのメリットは、道内観光関係業界にとって大きかっただろう。しかし、それらへの依存体質に傾倒しすぎたこと、また万が一、そのインバウンドが失われることを想定していない危機管理意識の薄い商いへの警鐘として、今回のコロナの影響は考えられる。そんな緊急時の備え、危機管理として重要になってくるのがBCPである。