旅行会社はSDGsをどのようにツアーに取り入れていくべきか

  • 2021年1月20日

インナーブランディングで自社の「旅行会社らしさ」を教育
SDGsは社員と旅行者に向けての情報発信で可視化が必要

SDGsの目標設定から情報発信の例をご紹介

【未来への目標設定の例】
目標1:取り扱いホテルの50%をSDGsの取り組みをしているホテルにする
目標2:各都市の市内観光では徒歩あるいは自転車利用の区間を組み込む
目標3:新規契約はSDGsに取り組んでいるサプライヤーのみとする
目標4:旅行商品にどのSDGsのゴールに該当するかをポイントとして列挙する
目標5:各都市の旅行商品に最低3コースはSDGsを取り入れたツアーを設定する
目標6:LGBTフリーのホテルを選択できるようにする

 目標設定をしたら、具体的行動を考えていきます。

【具体的行動の例】
・既存の契約ホテルに対してSDGsの取り組みを聞き取りする
・ファクトシートにSDGsの項目を追加する
(例:プラスチック製品の使用の有無、電気自動車の使用の有無、タブレットを使ったチェックインやメニューの有無など)
・視察時の確認項目にSDGsの項目を追加する
・市内観光のルートの見直しをする
・新規契約の前段階でSDGsの取り組み事例の聞き取りをする
・旅行商品にどのようなSDGsに繋がるのかを記載する
・取扱いホテルの情報ページにホテルのSDGsの取り組み事例を記載する
・環境に配慮したホテルや観光を組み込んだツアーを設定する
・ホームページの検索エンジンにLGBTフリーのフラグを設定する

 具体的行動を実施したら、結果を確認します。

【結果の確認の例】
・SDGsに取り組んでいる契約ホテル数が全体の50%以上になった
・ファクトシートの更新及び追記をした
・市内観光のルート変更により自転車区間を設定した
・新規取引先は全てSDGs取り組み企業だった
・旅行商品にポイントを追加記載した
・ホテル情報ページを更新した
・取扱い都市ごとにSDGsに関連したツアーを5本設定し販売した
・LGBTフリーのホテルを使ったツアーを選択できるようになった

 結果を確認したら、情報発信をしていくことが大切です。

【情報発信の例】
・〇〇旅行社のツアーでは環境に配慮したホテルを使用しています
・○○旅行社の市内観光では車ではなく自転車を使ったツアーを催行しています
・〇〇旅行社では昨年1,000名の旅行者がSDGsを取り入れたツアーに参加しました
・〇〇旅行社ではSDGsに取り組んでいるパートナーと取引きをしています

 このように小さなことから少しずつ旅行商品に組み込んで行くことが理想です。

 すでに旅行商品がそうだったということがあるかもしれませんが、大切なことは意識して取り組んでいくことです。そして、社員と旅行者に向けて情報発信をして可視化していくことがとても大切です。

 しかし注意も必要です。旅行者にとって旅行とは仕事から離れた特別な時間であり、ストレス発散のための時間であり、そして大切なパートナーと過ごす大切な時間でもあります。そのため、SDGsを全面に押し出して旅行商品を展開しすぎると敬遠されるかもしれません。表現に工夫をし、旅行に参加することで旅行者が自然とSDGsに貢献している、サステナブルに貢献しているという環境を旅行会社は作っていくとよいでしょう。

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