第3種のNinNinが転職サービス開始、旅行業のDX促進も-代表取締役の横田啓介氏

旅行会社のDX促進と業務の効率化に注力
業界外転職をチャットでサポート

-新たに取り組みを開始したという、人材事業に関して教えてください

横田「キャリチャ」のランディングページ もともと、DXの推進と業務の効率化ができる分野は旅行以外にもあると感じていた。旅行と同じようにエージェントが介在でき、市場規模が大きいところはいくつかあるが、そのなかで人材事業、なかでも転職サービスを展開しようと決めたのは、コロナで転職市場自体が大きく変わったからだ。

 コロナ前まで、転職活動は業界内での転職が主流だった。しかし、コロナ後は旅行業界をはじめとして業界自体が厳しい状況にあるなかで、転職者が未経験の業種や職種にチャレンジしなければならない時代に変わってきた。

 これまで我々が旅行業で培ってきた、AIを使って人とモノをマッチングさせる取り組みは人材事業でも活かせる強みだと思っている。特に旅行業界から他業界への転職を支援していきたいと考え、10月末からLINEで転職サービス「キャリアチャット(キャリチャ)」をはじめたところだ。

-転職サービスはどんな方々をターゲットにしているのでしょうか

 ターゲットは旅行・観光事業に携わっていた20代から30代で、異業種・職種への転職を検討している人たちだ。未経験で応募できる業種や職種に特化して、人材会社などとコラボレーションしながら求人を集めている。

 我々自身が旅行会社として旅行業を経験しているため、求職者の強みを上手く別業界の企業にもアピールできると感じている。また、求職者と企業のよりよいマッチングのため、求職者がなかなか得にくい会社の雰囲気や離職率、過去の選考通過理由まで、ご案内する会社については掘り下げて調査している。新しいキャリアをどう築いていくかといった相談にも乗っており、こうしたコストを度外視した手厚いサポートにより、転職の成功数を増やすことに力を入れている。

 すでに企業との面接に進んでいる方が複数いらっしゃるので、11月中に内定が複数出せればと考えている。始めたばかりの事業だが、年内には売上が立つ見通しだ。

 サービスの利用者はほかの求人サイトや広告出稿などで集めているが、想定よりもご利用いただいており驚いている。まだ旅行業界の方々は少ないが、今後は積極的に募集していきたい。また、転職を成功に導くサポート体制を確立した上で、旅行と同じように、人材事業でもDXの実現や業務の効率化をめざしたいと考えている。