JNTO、17年は「質の向上」に注力-中東市場にも関心

  • 2017年1月26日

松山氏  日本政府観光局(JNTO)は1月26日、このほど移転した新事務所で記者懇談会を開催した。理事長の松山良一氏は、政府が掲げる2020年の訪日旅行者数4000万人、消費額8兆円の目標について改めて述べた上で、「17年は足りないことを1つ1つ課題として挙げ、取り組む"体力固め”の年」と説明。「質の高い観光への貢献」「データに基づくマーケティングの強化」「地方創生への貢献」の3点に注力する方針を述べた上で、「特に観光の質の向上をはからなければならない」と語った。

 具体的には欧米豪からの誘客、受入体制の整備、国際会議の誘致強化などに取り組む。このうち欧米豪からの誘客については、ファーストタイマーに向けたプロモーションを進めており、富裕層向けのプロモーションも強化する。2016年の欧米豪9市場からの旅行者数は合計で17.7%増の約296万人で「ポテンシャルは高い」という。

 また、同氏は今後の海外事務所の展開についても説明。JNTOは昨年12月にモスクワに事務所を開設しており、その他にも16年度中にデリー、マニラ、ハノイ、クアラルンプール、ローマ、マドリードでの開設をめざしているという。デリーとマドリードについては開設準備がほぼ終わったことを伝えた。17年度は7つの新たな事務所での取り組みに注力する考え。

JNTOの事務所の入口。国際交流基金と事務所を共有しており、JNTOは3階と4階を利用  松山氏は加えて、将来的には富裕層の多い中東にも事務所を開設したい考えを語り、「富裕層に満足してもらえる体制を整えることが次の大きな課題」と話した。

 そのほかには、昨年12月に成立した統合型リゾート(IR)整備推進法についても言及。カジノそのものについては「観光客はカジノ目当てで増えることはない」との見方を示しながらも、大型MICE用施設の維持のための収益源や、不足している夜間のエンターテイメントとしての可能性には期待を示した。