トップインタビュー:名鉄観光サービス代表取締役社長の日紫喜俊久氏

現場力で中計達成へ、強みの団体営業強化
昇龍道で訪日客誘致に注力

-中計で強化している訪日旅行について、現状と今後の方針を教えてください

日紫喜 訪日旅行は本社にインバウンド部を置き、海外で開催される官民共同の説明会に参加しているほか、現地の旅行会社への直接セールスなどに取り組んでいる。訪日外国人旅行者に対しては、特に中部地方の観光素材を中心に販売しており、観光施設や鉄道のチケットなどに加えて、名古屋から観光バスで飛騨高山を訪れるプランなど、日帰りや1泊2日のバスツアーも取り扱っている。

 今年の5月にはエイチ・アイ・エス(HIS)と協業し、HISの名古屋駅前の訪日外国人旅行者専門店で我々の商品の販売を開始した。今後はHISの海外店舗網を活かした送客力と、我々の持つ販売力や供給力をうまくあわせていきたい。

 また、我々は中部運輸局や中部北陸9県、観光関連業者などによる「昇龍道プロジェクト」に参加しており、昇龍道を周遊できる「昇龍道高速バスきっぷ」の総代理店として販売を担当している。昇龍道は国土交通省の訪日外国人旅行者向けの広域観光周遊ルートにも認定されており、全国的にも知られ始めた。ルートが名鉄グループの主な商圏と合致していることもあり、グループ全体で取り組みを進めたいと思う。

 そのほか、名古屋は27年に東海旅客鉄道(JR東海)によるリニア中央新幹線の開業も控える。グループとして名古屋駅や周辺部の再開発をおこなっているが、名鉄観光サービスとしても取り組んでいきたいと考えている。


-中計でもう1つの強化ポイントとしているインターネット販売についてはいかがですか

日紫喜 国内のパッケージツアーについては、航空会社のバリエーションを増やした。これまでスカイマーク(BC)を利用したツアーを中心としていたが、今では日本航空(JL)や全日空(NH)、LCCなど幅広く利用している。また、国内のパッケージツアーはどうしても値段勝負になりがちだが、現在は格安ツアーだけではなく、宿泊施設のランクを高くした高単価のツアーも沖縄方面などで増やしており、今後はバリエーションを広げていきたい。

 海外旅行商品はBtoCの海外旅行予約サイト「旅.pad」で、航空券に加えてホテルやレストランなど、さまざま旅行素材を販売している。消費者には航空券と一緒にレストランなどを一括購入できる利便性をアピールしていきたい。


-ありがとうございました