全日空、9月前半は欠航なし、遅延1便のみ-B787不具合

  • 2016年8月29日

 全日空(NH)は8月29日、保有するボーイングB787型機のエンジンの不具合により、26日から一部の国内線を欠航している事案について、9月1日から15日までの期間の影響が、11日の新千歳発羽田行きNH1404便の遅延のみにとどまることを発表した。そのほかの期間中の便については、欠航などの影響は出ないという。

 NHは当初、整備にともない「1日10便前後の影響が出る見込み」と説明していたが、機材繰りなどによるダイヤ調整で影響を最小限に留めることができたという。代わりに使用する機材については「予約数などを鑑みて対応する」としており、29日昼の時点では明らかにしていない。同社は9月末まで影響が出るとしており、9月16日以降の詳細については、確定次第ウェブサイト上で発表する。

 今回の一連の欠航は、8月20日の羽田発宮崎行きNH609便で離陸直後にエンジントラブルが発生し、羽田に緊急着陸した事案を受けたもの。調査の結果、搭載していたロールスロイス社製のエンジン「トレント1000」のタービンブレードの一部が腐食し、破断していたという。同様のトラブルは今年に入り国際線でも2例発生していたが、国内線で発生したのは初めて。

 NHは26日の夜には「ボーイング787型機のエンジン不具合への対応について」と題した文書を発表し、今回の事案の原因や今後の対応について説明。ブレードの腐食に対する対策としては「硫化腐食に強い改修型ブレードが装着されたエンジンへの交換を予定している」とした。NHによると改修型ブレードが届くのは来年1月以降で、それまでは安全上の問題がない、新品もしくは使用履歴が少ない現行型ブレードで対応するという。

 これまでNHのB787型機については、2013年1月にバッテリーの不具合に起因する重大インシデントが発生。また、今月28日には羽田発シンガポール行きのNH843便で、操縦席の窓にヒビが入り那覇空港にダイバートする事案が発生している。


▽NH、遅延便の変更後ダイヤ
・新千歳発羽田行き
NH1404便 CTS 20時20分発/HND 21時55分着(9月11日)