トップインタビュー:BUZZPORT代表取締役社長の江藤誠晃氏

高付加価値のSITプランをウェブで紹介
顧客視点の商品造成を

 海外旅行のマーケティングなどをおこなうBUZZPORTの代表取締役社長を務める江藤誠晃氏は先ごろ、テーマや目的に特化したSITプランの情報を提供するキュレーションサイト「TRAVEL PLANET」を立ち上げた。旅行作家として各地を取材し、旅行会社などへのコンサルティングの経験を活かして同サイトを運営する江藤氏に、開設の意図や今後の旅行商品のあり方などについてお話を伺った。


-「TRAVEL PLANET」を立ち上げた意図をお教え下さい

江藤誠晃氏(以下敬称略) 近年の日本の海外旅行市場の低迷については、円安や国際情勢不安、人口減などがその理由として挙げられることが多いが、旅行会社の取組不足の部分もあると思う。パッケージツアーがコモディティ化してしまっているなか、旅行会社はツアーでデスティネーションの魅力を十分に伝えられていないのではないか。ツアーの価格ではなく、価値で競争できるように移行しないといけない。そのためには旅の魅力を伝えるためのプラットフォームとなるメディアが必要と考えて、「TRAVEL PLANET」を立ち上げた。

 我々は「キュレーションサービス」として、ウェブサイトで旅の魅力を伝えていきたい。旅行会社のウェブサイトはツアーの代金が強調され、文字情報が多く、旅情に欠ける。一方、我々は旅行の魅力を記事化して掲載する。こうしたキュレーション機能を旅行会社に提供し、旅そのものをプロデュースするプラットフォームを作っていきたい。


-ウェブサイトではどんなプランを紹介しているのですか

江藤 TRAVEL PLANETでは付加価値の高い、ユニークなSITプランを記事として紹介しており、現在はキューバやハワイ、グリーンランド、マレーシアなどのプランを掲載している。今後はベネズエラやロシアなども掲載する予定だ。

 また、ユーザーに対し、プランを実際に体験できる旅行会社のツアーを紹介する「AGENT機能」を提供している。旅行会社のツアー紹介ページのリンクをウェブサイトに掲載しており、旅行会社からは掲載料をお支払いいただくビジネスモデルだ。

 時間に余裕があり、能動的に動ける人は自分で計画を立てて旅行素材を購入する自由旅行でも良いと思う。しかし、限られた休日のなか、ある程度は旅行会社に任せたいという人には、レディメイドのパッケージツアーが必要だ。

 また、従来型の航空券と宿泊施設を組み合わせたパッケージツアーではなく、現地までの航空券は自分で用意し、現地発着ツアーと組み合わせた旅行を楽しむ方法もあると思う。例えば、ウェブサイトの「聖地巡礼ジョグジャカルタの2大遺跡」プランでは、現地発着のツアーを紹介している。

 今後は毎週1つずつ、面白いプランを掲載していけたらと考えている。我々は選りすぐりのセレクトショップのようなウェブサイトをめざしており、数を競うのではなく、世に問う価値のあるプランを、旅行会社とタイアップしながら着実かつ定期的に発表していきたい。掲載件数は最終的には100件くらいになると見ている。