海外旅行業況、2ポイント増加で予想上回る-中国復調などで

  • 2015年6月25日

 日本旅行業協会(JATA)が5月中旬から6月初頭にかけて会員各社611社に対して実施した旅行市場動向調査で、2015年4月から6月の海外旅行のDI値(※)はマイナス36となり、前期(15年1月~3月)から2ポイント増加した。3月時点の見通しではマイナス37としていたが、中国の復調やアジアの好調などを受け、9期ぶりに予想を上回った。回答社数は351で、回収率は57.4%だった。

 業態別では、回答数の最も多いリテーラー2が1ポイント増加。そのほか、海外旅行ホールセラーが12ポイント、リテーラー1が32ポイント増加した。総合旅行会社は8ポイント、海外旅行系旅行会社は17ポイント、インハウスは3ポイント、それぞれ減少した。

 方面別では、中国が9ポイント増と復調傾向を見せたほか、アジアが8ポイント増と好調。ハワイも2ポイント増と微増した。一方、ヨーロッパは下落傾向が落ちついたものの2ポイント減。ミクロネシアも2ポイント減、オーストラリアも4ポイント減となった。アメリカ・カナダは増減なし。なお、韓国については6ポイント増となっているが、調査は韓国における中東呼吸器症候群(MERS)の拡大が本格化する以前に開始されたこともあり、開始の時期次第では減少していたと見られる。

 顧客層別では、上位の商用・視察が9ポイント増と好調。インセンティブも8ポイント増となった。ファミリーとOLは1ポイント減、シニアは2ポイント減で、概ね前期並みだったが、学生は10ポイント減、ハネムーンは6ポイント減でとともに落ち込んだ。

次ページ>>>次期は9ポイント増を予想、ヨーロッパに回復傾向

※DI値は設問事項に対して「良い」、「普通」、「悪い」、「取扱なし」の4つを用意し、集まった回答を数値化するもので、設問事項に対する全体的なトレンドを量る指標となる。全ての回答が「良い」の場合はプラス100。JATA調査では、JATA会員会社の経営者などに対してインターネットでアンケートを実施し、業態、顧客層、方面別にDI値を算出している。