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インタビュー:UA太平洋地区営業担当支社長のエスプレィ氏

「フライヤー・フレンドリー」と共同事業で成長めざす
旅行会社重視を強調

▽日本路線の現状について

 太平洋路線はすでに日本で十分に確立したサービスとなっている。我々が路線を開設している米国7都市に加えて、NHとの共同事業によって非常に充実した路線を持っている。羽田からの定期便は我々にとって初めての挑戦だが、今のところその成果に非常に満足している。

 また、グアム路線も変わらず充実しており、7月には仙台と札幌からのグアム線が25周年を迎える。私も現地で旅行会社などパートナーの皆様と一緒に祝いたいと考えている。

 市場環境という意味では、日本があくまで成熟市場だと認識することが重要だ。確立した市場であるという前提で臨まなければならないと考えている。

 そうした中では、旅行会社との関係が成功の鍵となる。日本に限らず他の世界各地において旅行会社は非常に重要で、おそらく今後もそうであり続けるだろう。旅行会社が旅行全体に対して果たしている役割は大きい。私自身も旅行会社にいたのでその点は理解している。

 また、まだ赴任して間もないが、今感じているレベルでは日本のお客様は非常にサービス指向が高い。オーストラリアやイギリスがそうでないということでは必ずしもないけれども、日本のお客様はサービスレベルの期待値が特に高く、旅行会社に対するそういったニーズも強いように感じている。


▽NHとの共同事業について

 開始から4年が経ったが、お客様に対してより良い選択肢を提供していくという意味で、非常に良い協力関係になっていると思う。

 特に運航スケジュールについては厳密に話し合いをしており、例えば国内便から国際便への接続が非常にスムーズにいく、というようなメリットをご提供できている。実際に、相互の乗り継ぎも非常に頻繁におこなわれており、双方向で毎日900人ずつ人が行き来されている。これはB777型機が4機満席になる規模だ。

 両社の間では共同でビジネスをするという考え方が浸透している。例えばアジア、日本という市場であればNH側のサービスをこれまで以上に使うようになってきており、一方で大西洋や中南米といった路線では、我々の強みを活かすという形で一緒に事業を進める体制だ。

 今後も、NHの成田/ヒューストン線やホノルル線が加わる予定で、9月にはクアラルンプール線も共同事業の対象となる。これにより対象路線は、羽田と成田を除いてもNHが運航する43路線とUAの11路線に拡大する。

 イメージとしては、すべての事業をパートナーのNHと一緒にやっていくということだ。例えば、旅行会社や邦人との契約類はすべて基本的に両社が入る。我々としてはシームレスであることを意図しており、お客様がNHなのかUAなのかといったことをほぼ意識しなくて済むようにしたい。

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