読者レポート:フィリピンの「新素材」、プエルト・プリンセサ

ホンダベイに浮かぶ「ドス パルマス アイランド リゾート&スパ」のビーチ  フィリピンは7107の島からなる島嶼国であり、アジアとしては特異な歴史と文化を持ち、多くのデスティネーションに恵まれている。2014年の日本人入国者数は13年比6.93%増の46万3744人と堅調に推移。一昨年来の各航空会社の増便や新規就航などでその増加に拍車がかかっている。しかし、旅行会社のパッケージツアーを見ると、その多くがマニラとセブ、そして一部にボホールとボラカイを販売している程度で、バリエーションは少ない。その最大の理由として挙げられるのが、ツアーの可能性は認められながらも、実際のところマニラとセブ以外を知る業界人が少ないことだろう。

 こうした状況を踏まえ、日本フィリピン観光評議会(JPTC)は新たなデスティネーションの紹介をはかり、2月27日から3月2日、フィリピン航空(PR)の協力でパラワンのプエルト・プリンセサへのファムツアーを実施。旅行会社3社、ホテル2社から5名が参加した。

筆者:土橋告(サンヨーインターナショナル代表取締役、JPTC会員(ファムツアー実施当時))


地下河川に向かうバンカボートよりシェリダンを望む。奥の山がセントポール山でその真下を8キロメートルを超える川が流れている  パラワン島は南シナ海とスル―海に挟まれた細長い島。長さ400キロメートルで、「フィリピン最後の秘境」とも言われる。今回のファムツアーの実施先、数あるデスティネーションの中でJPTCがプエルト・プリンセサを選んだ理由は、以下の3点だ。

1.世界遺産に認定されたプエルト・プリンセサ地下河川国立公園の訴求力
2.スバンとホンダベイの美しい海
3.日本から往復ともにマニラでの同日接続が可能

 実際、プエルト・プリンセサには世界中から旅行者が訪れ、セブではあまり見かけない欧米人も多く見かける。しかし、フィリピン入国者数第3位の日本人は極めて少なく、パッケージツアーは皆無である。

プエルト・プリンセサ行きのフライトはマニラの第3ターミナルを使用  マニラ/プエルト・プリンセサ間は1時間程度で、3社が定期便を1日あたり往復16便から18便運航している。セブ/プエルト・プリンセサ間もフライトがあり、日本からセブ直行便を利用したうえで、セブを含めたツアーも可能だ。

 今回のファムツアーでは、ツーリストが訪れるそれぞれの場所に各1泊試泊し、ツアープログラムの組み立てを検討してもらった。