タイ・TCEB、日本MICEの誘致強化、助成金設定-15年度は10%増目標

  • 2015年4月26日

▽MICE誘致でキャンペーン、助成金や優先入国サービスも

 TCEBでは、MICE誘致のキャンペーンとして2つのキャンペーンを展開。「タイランド・コネクト・ザ・ワールド」では、タイでのMICEの魅力として「目的地としての魅力」「ビジネス機会の提供」「人材」の3点をアピールしていく。目的地ではバンコク、パタヤ、コンケン、チェンマイ、プーケットを「MICEの強みを発揮できるエリア」(ティーララット氏)と紹介。さらに、同氏はビジネス機会については、「タイはASEANの入り口であり、さまざまな商業圏のハブとなるビジネスマッチングの場」とアピールした。人材ではホスピタリティの高さに加え、MICEに対応できる人材の豊富さ、質の高さを訴求していく。

 また、9つの公的機関と民間団体が協力して展開する「タイランドMICEユナイテッドII」キャンペーンでは、MICE誘致をはかるために特別仕様の鉄道パスと、タイ国内での無料WiFiが1時間トライアルで利用できる「タイランド・コネクト・ウェルカム・パッケージ」を設定。1万5000セットを用意しており、1万2000セットをMICEのマーケティングやプロモーションに利用する。2015年にバンコクで開催するTCEB協賛の全会議に出席する代表団に支給する予定だ。

 こうしたキャンペーンを積極的に展開するため、TCEBでは日本市場に対し、特別制度として「ミーティング・ボーナス」を用意した。ミーティングとインセンティブが対象で、9月30日までにタイを訪問する、3泊以上滞在する200人以上のグループに助成金を支払うもの。200人以上の団体には主催者に約30万円、500人以上の団体には約90万円、1000人以上の団体には約300万円の助成金を提供する。申込期間は6月末まで。

 さらに「J-Plan in Thailand」キャンペーンとして、タイのパートナーと共同で、タイ国内でイベント・行事を企画する日本のイベント主催者・団体に補助金を用意。国内外から1万人以上の訪問者が見込める大規模なイベント・行事の場合、TCEBで現地パートナーの特定、現場視察に必要な航空運賃や宿泊費用の支給、政府機関や民間企業との接触、ASEAN諸国でのプロモーション、スワンナプーム空港でのVIP専用入国手続きサービスなどの包括的な支援を提供する。

 また、ミーティングやインセンティブ、イベントなどの主催者に対し、CSR活動の提案もおこなう。タイ南部の浜辺でのカメの放流やサンゴの栽培、浜辺の清掃、開創の植え付け体験や、チェンマイなどタイ北部の山間部での象の保護活動、砂防ダムの建設作業、バンコクでの学校でのボランティア活動や地元の川の清掃などを紹介した。

 このほか、コンベンション向けには「タイで会議を開いてつながろう」キャンペーンを実施。「人とつながろう」「ビジネスをつなげよう」「目的地とつながろう」の3つのコンセプトのもと、団体規模に応じた助成金などを設けた。展示会向けには、2泊3日以上滞在し、展示会で一定程度の件数商談を成立させた旅行会社や事業体団体、商工会議所に向けたインセンティブや、VIP専用入国手続きサービスなどを用意した。