アクセスランキング、1位はANA社長交代、2位もJAL役員人事

[総評] 今週の1位は、ANAホールディングス(ANAHD)の代表取締役社長が4月1日付で伊東信一郎氏から片野坂真哉氏に替わるニュースでした。ANAHDほどの大きな会社を率いるというのはどういうことなのか、想像してもまったくピンときませんが、事業規模で日本航空(JL)を上回る規模を手に入れたNHをどのように舵取りしていくか、注目が集まります。

 一般論として、社長が替われば会社も変わります。ドラスティックな変革をしなくても少しずつ「色」が出ていくもので、むしろそうでなくてはおかしいでしょう。組織とは様々な人間関係の集合体であり、戦略が一緒でも人となりが違えばその遂行のための手段にも違いが出るもので、だからこそ組織というのは面白いのだと思います。

 2位にもJLグループ役員人事の記事がランクインしており、ここでもジャルパック代表取締役社長が二宮秀生氏から藤田克己氏に交代することが決まっています。ANAHDとジャルパックでは事業も役割も別ですが、2社ともに日本の空に深く関わっていることは共通しているところで、2社が今後どのような「色」を帯びていくか大変楽しみです。

 個人的には、チームを運営していく上で最も重要なことは信頼であると考えています。偉そうに組織論を語れるほど経験があるわけではありませんしそもそも正解のある課題ではありませんから、信条といった方が正しいかもしれません。

 しかし、社員同士が信じ合わずして、どうして社外からの信頼を勝ち得ることができようか、あるいは自分の可能性を信じようとしない人間が、他人から信じてもらえるほどの努力をどうしてできようか、そんなことを日々感じます。

 よほど図抜けたサービスや製品が武器となる企業、ウォーレン・バフェット氏がいうところの「有料ブリッジ型」のビジネスであれば、従業員同士が反目し合っていて隙あらば蹴落とそうとしていても問題ないのかもしれません。

 ところが、トラベルビジョンのニュース、あるいは旅行会社の旅行予約といった「情報」が商材となると、このICT全盛の時代に恒常的な有料ブリッジを掛けることはほぼ不可能でしょう。

 今後数十年で米国の雇用の47%が自動化される、2045年には人工知能が人間の知性を超越する、といった研究結果に触れる機会が増える中で、我々凡夫が突き詰めるべきは人にしかできないことだろうという感覚がますます強くなっています。

 先述の信条には、こうした感覚も背景としてあります。情報の流通手段で勝負がつかないのであれば、その質や量、そして「情報化できないもの」を磨くのが手ではないでしょうか。極めて非論理的ではありますが、「信頼」という曖昧かつ人間的な行為によって人の心を満たす、それを行動規範にしたいと思っています。(松本)


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(2015年2月第3週:2月15日0時~2月20日18時)
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