JATA、「旅の安全の日」に模擬訓練、外務省は「旅行登録」開始

  • 2014年6月25日

 日本旅行業協会(JATA)は7月1日の「旅の安全の日」に先立って6月25日に記者会見を開催し、1日に実施する模擬訓練などに関して説明をおこなった。「旅の安全の日」は、内閣府が創設した「国民安全の日」と同じ7月1日で、旅行業界における安全意識の向上や一般消費者への取り組みアピールなどを目的としてJATAが制定したもの。会見ではあわせて、外務省が同日から開始する海外渡航者向けの情報サービス「たびレジ」の概要も発表した。

 JATAは今年4月に、推進する「旅行安全マネジメント」の普及・促進に向け、「安全管理責任者」の任命率向上、「旅の安全の日」における模擬訓練の定着、「旅行安全マネジメント自主点検リスト」の活用の3項目を、今年度の重点実施項目として発表したところ。7月1日の模擬訓練では、JATAが午前9時30分に地震発生連絡を模した訓練実施案内を会員各社に発出。各社は緊急連絡網で情報を発信し、滞在者数の確認などをおこなった後、17時までに滞在者数をJATAに報告する。滞在者数を集約したJATAは、18時を目途に観光庁および外務省に報告する予定となっている。各社は緊急連絡に要した時間や、その際に発生した問題などもJATAに報告し、今後の改善に資する考え。

 このほかJATAでは、「旅の安全の日」を一般向けにもPRするため、ステッカーの配布や全国紙での記事広告展開などもおこなう予定。旅行保険の加入も促す。

 JATAでは5月に、会員各社の「旅行安全マネジメント」の取り組み初期段階における状況を調査するため、アンケートを実施した。6月24日までに回答した会社は162社で、このうち7月1日または別の日程で模擬訓練を実施する旨を回答した会社は101社。JATAでは模擬訓練の参加率を、2017年には第1種旅行業および第2種では80%に、第3種では60%に引き上げたい考え。なお、162社のうち「安全管理責任者を任命済み」とした会社は63社、「安全基本方針を策定済み」とした会社は40社だった。来年3月における取り組み状況と比較することで、1年間の進捗状況をチェックする。

 この日はあわせて、外務省領事局から海外邦人安全課と政策課の担当者が出席し、7月1日からインターネット上で開始する一般向け海外旅行登録サービス「たびレジ」の概要を説明した。同サービスは、旅行や出張などによる海外渡航者が、日程や滞在先、連絡先などを登録すると、滞在先の最新の安全情報や、緊急事態発生時の連絡メールなどを受け取れるようになるもの。メールアドレスは本人以外に、家族や職場のアドレスなども登録できる。同省では、当面は全渡航者の1割に登録してもらうことを目標にするという。