香港とスタークルーズが共催セミナー、旗艦船の香港発着クルーズ開始で

  • 2014年5月29日

(左から)HKTBの古谷氏、スタークルーズの山本氏  香港政府観光局(HKTB)とスタークルーズは5月28日、旅行業界向けのセミナーを共催した。スタークルーズの旗艦船であるスーパースター・ヴァーゴが6年ぶりに香港発着クルーズを運航するのに合わせて実施したもの。HKTBでは、22万トンの客船が2隻同時に停泊できる「カイタック・ターミナル」のフルオープンを控え、アジアのクルーズ・ハブをめざして誘致活動を強めており、先ごろには共催でFAMツアーも実施している。

 セミナーではまず、HKTBのアシスタントマネージャーでMICEおよびクルーズ担当である古谷剛氏が、クルーズ発着地としての香港の優位性を紹介。日本/香港間のフライトが豊富でフライ&クルーズのパッケージが造成しやすい上、北東アジアと東南アジアの中間にあるロケーションで、クルーズ客船が多様なコースを作りやすいとアピールする。

 また、スーパースター・ヴァーゴが発着する「オーシャン・ターミナル」はチムサアチョイのスターフェリー発着所に隣接しており、乗降船の前後の時間にも観光を組みやすい。クルーズに合わせられる新素材やアップデート情報も提示し、例えばスタークルーズの客層にもあう香港ディズニーランドが今年9月に10周年を迎え、2015年には周年行事が展開される予定であることも紹介した。

 なお、HKTBではクルーズツアーの造成に対して、参加者への公式ガイドブックの提供やHKTBニュースレターへの商品掲載、東京・大阪オフィスでのパンフレット配置のサポートや、船会社向けに出港時の獅子舞やドラゴンダンスの手配などもおこなう。

スタークルーズの小谷氏  一方、スタークルーズのシニアセールスマネージャーの小谷和康氏は、スタークルーズがアジアに根付いた客船会社で、香港発着では三亜やハロン湾などを訪れるヴァーゴのほか、スーパースター・パイシスで1ナイトクルーズを通年運航していることを紹介。ドレスコードやダイニングの時間指定のないフリースタイルクルージングとノーチップ制度、1泊1万円からの価格設定、4日間までの手軽な日程がスタークルーズの特徴で、気軽に楽しめるクルーズであることを説明した。

 また、団体旅行の受け入れ実績の多いこともアピール。各船には日本人または日本語を話すスタッフが乗船し、メニューや船内新聞も日本語版を用意する。寄港地ツアーも人数に応じて日本語ガイドのアレンジが可能な場合があるとし、スタークルーズとして日本市場を重視する姿勢を強調した。

 スタークルーズでは2016年末と17年秋の就航予定で2隻の15万トン級の新造船を発注しており、香港が就航地になる可能性もある。セミナー最後の挨拶で、日本代表の山本有助氏は香港の利便性とともに「新素材としてヴァーゴもある」と述べ、香港を起点にしたクルーズ商品造成と販売強化を訴えた。