業法改正など議論で報告書、約款は見直しに向け検討継続-観光庁

  • 2014年5月21日

 観光庁は5月21日、旅行産業研究会の議論の報告書として「旅行産業の今後と旅行業法制度の見直しに係る方向性について」を取りまとめた。観光庁は2013年4月にまとめられた「観光産業政策検討会提言」を受け、同年9月に旅行産業研究会を設置。今年3月までに計8回の会合を開催し、旅行業関連の法制度のあり方などについて議論をおこなってきた。

 観光庁観光産業課長の石原大氏によると、報告書では標準旅行業約款の見直しや着地型旅行普及のための第3種旅行業者の業務範囲拡大など、ある程度意見が一致したものに関してはおおよその方向性を提示。一致しなかったものについては意見を併記した。

 報告書では旅行業を取り巻く環境として、海外OTAの台頭やインターネット取引の増加、中国や韓国などの観光新興国の台頭に伴う海外宿泊施設の仕入れ競争の激化、旅行業者の安全確保に関する責任の高まり、地域観光資源を活かした着地型旅行商品の広まりといった変化に言及。

 その上で「旅行業に係る安全マネジメント制度の導入」「着地型旅行普及に向けた商品造成の促進・販売経路の拡大」「標準旅行業約款制度の見直し」「現行旅行業制度の範囲外の論点」の5項目をまとめた。

 各項目のうち「標準旅行業約款制度の見直し」については、環境が変化する中、現行の標準旅行業約款は実態と乖離していると指摘。その上で不都合が生じていることとして取消料や旅程保証に関する規定を例にあげ、消費者利益の保護に留意しつつ、環境変化に弾力的に対応できる約款制度を構築していくとした。今後は観光庁と消費者庁で事務的レベルでの検討を続けていく考えだ。

 また、法人間の旅行契約については、出張手配の包括契約や国際会議のイベントなど、契約規模が大きくなる場合は取消料のタイミングなどで旅行会社の負担は大きいとし、現行の約款制度の対象外とする、または消費者に適用する標準旅行業約款と異なる約款を設けることを今後検討していくとした。対象となる旅行内容や法人の範囲についてもあわせて検討していく。

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