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インタビュー:NTTドコモ スマートライフビジネス本部 倉田泰氏

  • 2014年2月27日

旅行業に進出したNTTドコモ 「dトラベル」で需要創出へ

-今後展開を予定しているサービスを教えてください

倉田 すでに第1種旅行業登録は取得した。当初は現地払いだけだったが、今年1月からはクレジットカードによる事前払いも可能になった。すでにdトラベルとしてのコールセンターも設けている。

 2014年度は国内で交通を組み込んだパッケージを展開する予定だ。JTBとの協業で、JTBの素材を売っていくことになる。旅行業としての王道のところは抑えていきたい。現在質の高い約1万1000軒の宿泊施設を扱っている。これからもJTBといい協業関係をつくって、いい商品を提供していきたい。

 国内商品の次は海外商品の取扱を拡大していく方向だ。また、利用状況を見ながら、価値が提供できると判断できれば、将来的には海外現地オプショナルツアーの販売もできればと考えている。

 インバウンド市場については、クオリティの確保という問題があるだろう。パートナー戦略がカギになってくると思う。潜在性はあるだろうが、まだ先の話だと思う。ドコモの携帯機能として通訳機能もあるので、そうしたサービスを考えると、訪日旅行者と全く接点がないわけではない。


-dマーケットの他のコンテンツとの連動はいかがですか

倉田 弊社にはdマーケットのメールマガジンがあり、さまざまなコンテンツで会員が登録されている。まずは、その会員に向けてdトラベルを訴求していく。現在、ファションで買い物すれば、楽曲ひとつをプレゼントといったサービスも展開しているが、そうした相互活用もdトラベルでできるのではないかと考えている。

 dトラベルではどこを予約したかが分かるので、それに関連する映画、アニメ、音楽なども提案していけると思う。例えば、旅とは関係のないように見えるアニメでも、聖地巡礼のような商品も提案できるのではないか。その精度を高めて、相互に利用を高めてく仕組みを構築していきたい。


-旅行事業を展開していく上で見えてきた課題はありますか

倉田 ユーザーインターフェイスはまだ改善の余地があると思っている。利用者の傾向を精査して、予約にまで結びつける見せ方に工夫が必要だろう。

 そのほか、他社ユーザーやPCでも利用できるdトラベルは、これまでのように対auやsoftbankの戦略ではなく、OTAがライバルになってくる。今までどおりの販売戦略やマーケティングではだめだろう。これからも研究していく必要がある。

 将来的には、簡易的なガイドとして読み物的な情報の提供やSNSとの連動でのユーザーレビューも考えられる。単に予約だけで終わるのではなく、dトラベルを利用して旅が楽しかったと思ってもらえるようなサービスを展開していきたい。


-ありがとうございました