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トップインタビュー:日経カルチャー代表取締役社長の西尾敏宏氏

日経の文化的テーマ性とブランド力、阪急の販売力が強み
宣伝活動強化、参加者の幸福度向上で支持される会社へ

-阪急交通社との競合やシナジー効果について、どのようにお考えですか

西尾 競合については、基本的に刺激しあうことが必要だと思う。ただ、現在の阪急交通社はある程度の集客数を追っていくビジネスモデルなので、弊社との競合はないと思っている。

 両社のシナジーは共同運営の目的の一つであり、もちろん実施していく。たとえば、阪急交通社がチャーターした航空機を利用したアラスカでのフライ&クルーズ商品はすでに販売し、成功している。双方の強みと顧客を堅持し、阪急交通社の仕入れ力を有効活用しながら、企画には独自の色を出して商品化していくというスタンスだ。


-業界環境が変化する中、貴社の存在意義をどのように打ち出していきますか

西尾 ビジネスは会社の収益さえ上がれば良いというものではなく、少しでも世の中にとって必要とされることも必要だ。当社は現在ご年配の方々が中心であるが、まだまだ人生をより楽しんでいただけるようサポートしていきたい。さらにお一人様でも気軽に参加できるようにし、旅行の楽しさに加え先人の知識や文化・歴史に触れていただく機会を作ることで、お客様の人生を深く、また高めることに少しでも貢献できるような旅行屋でありたいと思っている。

 ニッチな分野は分母が小さく、収益ベースに乗りにくいので一般の旅行会社としては興味が薄くなりがちだが、逆にビジネスチャンスとして捉え、受け皿を用意すれば、お客様の支持を得て適正な収益ベースに乗せることができる。ニーズの多様化に対応でき、オンライン旅行ビジネスの浸透下でも淘汰されることがなく、中小規模の旅行会社でもビジネスを継続できると思っている。

 今後は引き続き日本経済新聞社とグループ会社がもつ素材を有効利用し、自分たちだけのカラーを出してテーマ性、希少性のある商品を提案していく。日経ブランドを武器に、文化的なテーマを今まで着手していないようなところまで掘り下げることができれば、弊社のような小さな旅行会社でも“ピリリと辛い”存在感は出てくるはずだ。アナログ感、満足感で勝負したい。そこしかないと、イメージとして持っている。


-ありがとうございました