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トップインタビュー:デルタ航空日本支社長 森本大氏

日本人向けサービス大幅拡充へ
旅行会社との協業に強い意欲

-2012年の業績についてどのように評価されていますか

森本 2012年は日本もなかなか好調に推移をしたが、DL全体が非常に好成績。当初の計画はほとんど実現できた。バランスシートも改善し、売上も利益も増えた。会社の財務体質も強化され、次の投資も可能となった。また、ヴァージン・アトランティック航空(VS)への投資・提携や、製油所の買収など革新的な経営もできている。

 日本市場では、例えばハワイは市場全体で好調だったと聞いているが、DLも市場とともに成長できた。福岡線も九州全体と一部本州もターゲットになる大きな市場で、1年経ってお客様からも認知をいただいて、非常に好調な推移をしている。

 ハワイアン航空(HA)との競合は、当初は多少苦労したが、2社ともにハワイのプロモーションを展開してきた結果、市場が大きくなっている。リゾートデスティネーションは座席供給量が需要を生む性格が強い。


-2013年の見通しについてはいかがでしょうか

森本 この2年で機内プロダクトだけでなく、アトランタやニューヨーク、成田、シアトルなどの空港でも投資を続けてきているが、この成果が2012年の後半から見え始めており、2013年はさらに結果が出る年になると見ている。日本人向けのサービスも、意思決定をしてから現場への浸透まで時間がかかるが、2013年はこれも効果を生むだろう。

 市場動向については、世界全体ではあまりマイナスにはならないものの、エリアによって多少バラつきがあると見ている。アジアは、中国を中心にかなり伸びる予測だ。日本はどうかというと、中国の成長速度とはかなり異なるが、成熟市場でありさほど下がる要因があるとは思っていない。何%伸びるとは言い切れないが、出国者数はまだ伸びるのではないか。


-2013年の路線展開の方針をお聞かせください

森本 座席供給量は数%増加する見込みだ。当面は、まだスタートしていないが羽田/シアトル線に集中する。とはいえ、今後ニーズが出てくれば新路線や増便も検討したい。ハワイとグアムでは、毎年と同じくピーク時に増便を計画している。サイパンも、ニーズがあれば座席供給量を増やしてカバーしていきたい。需要とのバランスなので、機材を変えるのか、便を増やすのかを含めて検討していく。

 羽田については、レジャーにせよビジネスにせよ、羽田から米国に行くということについて、我々としてももう少し認知を向上していかなければならない。

 羽田/シアトル線の就航で成田線を運休するのではないかというような懸念もあるが、成田はアジアのハブ空港、羽田は都心に在住、あるいは勤務されている方に利便性の高い空港という位置付けがはっきりしている。

 DLを含めて、ネットワークキャリアのすべき仕事の一つは、ハブを中心にネットワークの拡充をしていって、お客様の利便性を高めつつ、効率的な運航によってコストを下げ、お客様に還元する。これが基本だ。これを崩すつもりはない。成田から就航するべき都市として、現在は上から順番に8ヶ所飛んでいるわけだが、シアトルは間違いなくその都市の1つだ。