現地レポート:グアム、MICE誘致を強化-2013年の大型施設開業を控え

  • 2012年8月28日

100万人達成へ、MICEデスティネーションをアピール
~GVBスタディ・ツアーに87人が参加~

大規模コンベンション施設で
MICE受け入れ体制が激変

パシフィック・アイランド・クラブ・グアムの屋内テニスコート。ここが、1200人収容のカンファレンスホールとなる  2012年7月現在、グアムでのMICEには、大型団体を受け入れるハード面に課題がある。今回視察した中でもっとも大きなコンベンション施設は、パシフィック・アイランド・クラブ(PIC)グアムの1200人収容のもの。屋内テニスコートを使い、軍からエアコンを借りてボールルームとしている。さらに人数が多い大型団体の場合は対応が難しいというのが現状だ。その課題が、2013年夏にソフトオープンする2000人規模のコンベンション施設で解決される。

タシ・ビーチ・リゾート&スパのカンファレンスセンター最大のグランド・ボールルーム  タシ・ビーチ・リゾート&スパは、総面積3344平方メートルのカンファレンスセンターを併設する大型ホテルだ。1207平方メートルのグランド・ボールルームは、着席で1000人、立食で2000人以上を収容可能となり、800台駐車可能な駐車場が完備される。さらに、客室数600室のアウトリガー・グアム・リゾート、500室のハイアットリージェンシーグアムとは渡り廊下で繋がるため、新たに建設中の400室と合わせると、1500室の客室を有する一大コンベンション施設となるのだ。2013年夏にソフトオープン、2013年末にグランドオープンを予定している。

ウエスティン・リゾート・グアムのボールルームでは照明と音響を駆使し、総支配人自らがテーマイベントをプレゼンした  既存のホテルのハード&ソフト面も充実にも期待したい。参加旅行社の団体担当者からは「予算よりも中身でデスティネーションが選ばれる」という声も聞かれた。日本に近くて航空券がリーズナブルで、円高でホテル代も節約、というだけではアピールが弱いというのだ。個性を打ち出している実例のひとつが、2011年に改装されたウエスティン リゾート グアムのボールルーム。スタディ・ツアーでは、テーマイベントの実例のプレゼンテーションがあった。色のついた照明と360度に映像を投影できる機材を使って、ブルーのホールをぐるりと泳ぐイルカを映し出した。また、スタディ・ツアーの参加者が実際にステージに上がり、ホテルスタッフがアニメーターとなって盛り上げるイベント実例を見せるなど、ユニークなテーマイベントの提案をした。

スポーツ団体に人気のレオパレス・リゾート・グアムでは、マシンジムも充実。オリンピック仕様のプール、陸上競技用グラウンドなどが揃う  また、ヒルトン グアム リゾート&スパ内には、2011年に「日本旅行者クリニック」日本人観光客専用のクリニックがオープンした。米国医師免許をもつ日本人医師が、日本人旅行者の不意の疾病や怪我に日本語で対応している。小さな子供を連れた家族旅行や、修学旅行などの教育旅行、スポーツ団体には、格好のセールスポイントとなるだろう。大型団体にとっては、イベント主催者にとっての安心材料としてアピールできる。