ANAグ、国際線強化で営業利益1300億円めざす-持株会社に移行も

  • 2012年2月19日

 全日空(NH)グループは2月17日、2013年度に連結営業利益1300億円、営業利益率8.3%をめざす経営戦略を発表した。戦略の柱として国際線ネットワークの拡充を進めるとともに、マルチブランド戦略の確立、グループ経営体制改革、構造改革によるコスト競争力と財務体質の強化を推進する。また、マルチブランド戦略の確立に向けて、2013年4月1日に組織体制を持株会社制へ移行する方向で検討を開始。持株会社がグループの経営戦略立案や経営資源の最適配分をおこない、各事業会社が業務を執行することで、グループの収益最大化を見込む。

 国際線事業では、長距離需要と接続需要に重点を置き、ネットワークキャリアとしてのビジネスモデルを強化する。ボーイングB787型機の長距離仕様機を活用した成田/シアトル線、成田/サンノゼ線など長距離線と中型機によるアジア路線の拡充で、国際線座席供給量は11年度見込み比で22%増に拡大する計画だ。

 また、マルチブランド戦略では既存のANAブランドとLCCブランドの活用でグループとしてのシェア拡大をめざし、企業価値向上につなげる。持株会社制への移行も検討しており、2012年6月19日に開催予定の定時株主総会での承認と、所管官公庁の許認可が得られることを条件に実施するという。さらに、2011年度から先行着手した構造改革で2014年度までに1000億円規模のコスト削減を推進する。