休暇分散化、自由度のある休暇取得を−5ブロック制に異議、第4回会合で

  • 2010年11月22日
 観光立国推進本部は11月19日、休暇分散化ワーキングチームの第4回会合を開催し、これまでの検討経緯に対する報告と意見交換会を実施した。意見交換会では内閣府大臣政務官の和田隆志氏と厚生労働副大臣の小宮山洋子氏から、春と秋の大型連休を5つの地域ブロック別に分散することに対し反対意見が述べられた。

 和田氏は、5ブロック制に対し「ブロック内で需要が集中する。個々人の働き手の自由度がないと、結局(休暇は)分散しない」と反対を述べた。休暇の時期を固定することで「定められたところでしか休めなくなる。時間的制約を高めてしまう」と懸念を見せた。また、需要の集中により旅行商品の単価が上昇し、経済的制約が高まる可能性をあげ、働き手が自由に有給休暇を取得できる方法の必要性を訴えた。

 小宮山氏も「いろいろなアイデアを組み合わせればよい。5ブロックにこだわりすぎないほうがよいのでは」とし、多様な意見を組み合わせて休暇分散化を考える必要性を述べた。また、同氏自身が成立に関わったハッピーマンデー制度を増やす試みも提案し、「シルバーウィークも、ある程度の期間の中で希望に合わせて3日位休むというものでいいのでは」と意見を述べた。

 こうした意見を受け、観光庁長官の溝畑宏氏は「実証実験と祝日法改正は車の両輪。祝日法改正だけですべてが解決するわけではない」と述べ、有給休暇の消化や学校休暇の分散など「すべてをリンクしながらやっていく必要がある」考えを見せた。「祝日法改正の議論の中で休暇の意識が高まるのは大きな意義」との考えで、今後は引き続きワーキングチームで問題点や課題を議論するとともに、国民的な合意形成をはかる試みも連動して実施していく。

 まずは12月16日に第2回国民会議を開催し、10月に実施した国民意識調査の結果を発表する。さらに、2011年1月から第2回地方説明会を実施し、2月以降には第3回国民会議や第2回の国民意識調査を実施する予定だ。