UST、訪米日本人訪問者数を08年比10%増へ−業界向けセミナーを開催

  • 2010年9月24日
 USトラベル・アソシエーション(UST)はこのほど、旅行業界向けに「Discover America Educational Seminar」を開催し、米国渡航認証システム(ESTA)有料化や旅行促進法などについて説明した。冒頭の挨拶に立ったマリオット・インターナショナル日本グローバル・セールス日本支社長の小杉眞弘氏は、「アメリカのようなロングホールのデスティネーションは収益率が高く、じっくりと育てないと売れない」とし、セミナーなどでの教育の重要性を強調。マリオット・インターナショナルやウォルト・ディズニー・ワールド、プレミアム・アウトレットもプレゼンテーションも実施し、約100名の業界関係者に最新情報を伝えた。

 米国大使館商務部によると、日本はハワイ、グアムを含めアメリカへの訪問者数第4位、消費額第2位で、アメリカにとって重要なマーケットとの位置づけ。さらに、2010年2月までの日本人訪問者数は前年比10.7%増で推移しており、10月末の羽田国際化によるアメリカ路線拡充で、さらなる訪問者数増加を見込んでいるという。UST日本代表の井上嘉世子氏も、新型インフルエンザや景気低迷などの外的要因を受けた2009年ではなく、2008年と比べて10%増となる訪米日本人訪問者数をめざしたい考えを示した。

 USTによるプレゼンテーションでは、新たなデスティネーションとして日本から直行便の運航している東海岸と中部をゲートウェイとしたフィラデルフィア、ワシントンDCに加えてバージニア州とウェスト・バージニア州、アトランタ、シカゴなど、4つのエリアを紹介。例えばフィラデルフィアでは、ベンジャミン・フランクリン博物館やフィラデルフィア美術館など文化的、歴史的な観光素材が多いうえ、観光用のトロリーバスなどもあるという。いずれも日本人にとってはまだ定番でないことから新たな商品造成を促した。


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