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ヨーロッパレジャー需要の復活を目指して-フィンエアー日本支社長サカリ・ロム氏

-他キャリアとの競争についてはいかがでしょうか。

ロム 去年に比べるとマーケットの競争環境が変わっており、どのように対応していくかを考えなければいけません。例えば、かつては中東系航空会社をベンチマークする必要はなかったのに、現在は特にエコノミーで欧州に行く人は主に価格差を理由に中東経由を選択する人が増えたと思います。今でも東京のビジネス渡航需要では中東経由をする人は比較的少なく、日系や欧州航空会社のダイレクト路線が普通ですが、大阪は中東経由がより受け入れられている気がします。

 また、戦争の影響もあります。フィンエアーとしては、今まで謳っていた”the fastest way to travel between East and West” の優位性が薄れてしまったのは事実です。しかし、他の航空会社に比べて悪くなったというわけではなく、同じレベルになってしまったということです。ヘルシンキ空港の乗り継ぎの利便性も変わっていません。

-話は戻りますが、インドでの旅行業との違いは感じますか?

ロム まずインドはエージェントの数が多いです。生活でもビジネスでも家族単位で動くことが多いので、数十人規模の富裕層一族からの相談や依頼を一括して請け負うだけで充分旅行ビジネスが成り立ちます。ホームドクターならぬ、ホームトラベルエージェントですね。そのようなエージェントが積極的に活用するので、コンソリデーターの影響力もかなり強いです。インド発のコーポレート専門のビジネストラベルエージェントもいますが、そこはグローバル企業であるアメックスなどが強いです。OTAも伸びています。富裕層はホームエージェントに相談しつつ、簡単な国内移動は自分でOTAも使い分ける。一般の人はOTAを活用するという感じですね。

 また、私がインドに居た1年半の間だけでもNDCがかなり普及しました。以前はLHやSQが頑張っていたが結果はまだ伴わなかった。しかし、OTAの影響力が高まるにつれて少しでも安く販売できるなら何でもするという風潮になったことと、エアインディアも今後NDCに注力すると発表したことで、一気にNDCへの関心が高まりました。フィンエアーも含めた多くの航空会社がMake my Trip と取引していますし、 LHは75%、SQは90%、AYは80%がNDCでの取引です。

 航空会社からすればGDSコストが減り、OTAにとってもNDCのほうが安く仕入れられます。システム開発等のハードルはありますが、アンシラリーサービスでも収益を生めますし、マーケット性を考えた結果の流れだと思います。

-ご自身の趣味を教えてください
ロム氏のヴィンテージカー・バイクコレクションの一部

ロム ゴルフ、ヴィンテージカー・バイク、ハンティングです。鳥類の狩りを好みますが、日本と同じくフィンランドでも猪が増えすぎているという問題があるので、ヘラジカや猪も狩ります。また、日本の70年代から80年代初めの方のクラシックバイクを10台くらいコレクションしています。ヴィンテージカーも、GT-R32などを保有しています。

-最後に、日本の旅行会社へメッセージをお願いします。

ロム インドから日本へ持ってきたかったのが、”前向きさ”です。4年間いいことが一つもなかったという環境下ですが、これから観光産業全体で一緒に、ヨーロッパレジャーの需要を戻していきましょう。