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レベニューマネージャーの仕事を一気通貫でサポート-メトロエンジン田中良介氏

他業界からも評価されるダイナミックプライシング
長期滞在の取り込みを叶える予約プラットフォームも展開

-コロナ後、これまでの価格決定の仕組みが変わることはあると見ていますか。

田中 仕組み自体が大きく変ることはないと思います。一方で、この2年は稼働率が低く、ギリギリまで価格を下げた状態が続いたため、「価格を変える」という狭義でのレベニューマネジメントは必要がありませんでしたが、コロナが明けて稼働率が戻ってくると競争が激化し、ミスプライスによる機会損失の影響は施設にとって大きくなります。その意味で、システム化のニーズはこれまで以上に増えてくると思っています。

-宿泊施設にとってRevPARとADRではどちらがより優先されるべき指標だと思いますか。

田中 総合的に見てRevPARだと思います。長期滞在を埋めたいという需要も、RevPARを伸ばしたいという考えの現れでしょう。週末だけが埋まっても、平日が埋まらなければRevPARの影響はマイナスに振れやすいという意見もあります。

-ご自身がホテルに泊まるときは、どのくらいの稼働率が快適だと感じますか。また宿泊施設側は、どの程度の稼働率を収益分岐点として価格設定するべきでしょうか。

田中 ユーザーとしては、スタッフが多くてできるだけ少ない稼働率の方が嬉しいですよね(笑)。施設側からすると、稼働率が高いに越したことはないですが、どちらかというと「安定して高い」という状況がより良いと思います。固定費がかかる以上、稼働率が100%の日もあれば50%の日もあるよりも、安定して80%の方がいい。結局RevPARの話になってきますが、長期滞在が欲しいという話も、安定して稼働率を確保したいという理想があるからだと思います。

-今後の目標についてお聞かせください。

田中 はじめにお話しした通り、宿泊産業以外に向けたダイナミックプライシングも進めており、これを更に広げていきたいと考えています。他の業界を手掛けることで、ホテルの予測精度も高くなります。例えばレンタカーの需要予測には、ホテルの需要予測と似ている部分があります。また、総合的に2つのデータが使えるというメリットもあります。データが増えることで様々な業界の予測ができるようになり、それがまた相乗効果でホテルにもよりよい予測を出すことができるようになるわけです。ですので、ホテルの予測にも活用できたり、今あるデータがより効率的に活用できるような業界向けのダイナミックプライシングを提供していきたいと思っています。

 業界にとっては厳しい状況が続いており、私たちもまだまだこれからですが、夜明けは近いのかなと思っています。一丸となって、一緒に頑張りましょう。

-ありがとうございました。
※訂正案内(編集部 2022年8月25日10時53分)
訂正箇所:2ページ 第5段落第1文
誤:コロナ前の2019年に立ち上げました

正:コロナ前の2019年に企画を立ち上げました

お詫びして訂正いたします。