国内旅行業況、16年4Qは1ポイント減-訪日も調査開始

  • 2016年12月15日

▽訪日旅行はマイナス6ポイント、個人旅行が増加

 JATAは今回の調査から訪日旅行のDI値も発表。16年10月から12月までの3ヶ月間についてはマイナス6ポイントとした。旅行会社からは「団体旅行が減り、個人旅行が増えている」という声や、「ゴールデンルートから地方への観光の割合が増えている」という声が挙がった。また、中部エリアについては、広域周遊ルートの「昇龍道」や、金沢・白川郷・高山・松本と「ミシュラングリーンガイド・ジャポン」で3ツ星の観光地に選ばれた観光地を周遊する「三ツ星ルート」への訪問者が増加しているというコメントもあった。

 業態別では「ネット系旅行会社」が25ポイントで最も数値が高く、「総合旅行会社」が7ポイントで続いた。「インハウス」は0ポイント。「リテーラー1」はマイナス18ポイント、「リテーラー2」はマイナス10ポイント、「訪日旅行系旅行会社」はマイナス13ポイントだった。

 方面別では、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)を含む大阪・京都が最も高く12ポイントに。以下は北海道、東京ディズニーリゾート(TDR)を含む首都圏がそれぞれ4ポイント、関東/関西間のゴールデンルートが2ポイントと続いた。その他の方面のDI値はマイナスで、最も低かったのはマイナス33ポイントの九州。東北、山陽・山陰・四国がそれぞれマイナス30ポイントで続いた。

 顧客層別ではFITが11ポイント、団体がマイナス11ポイント、MICEがマイナス17ポイントとなった。訪日客の出身国別では台湾が14ポイントと最も高く、次いで東南アジアが10ポイント、欧州が0ポイントとなった。最も低かったのは南米のマイナス29ポイント。以下は韓国がマイナス23ポイントと続いた。

 17年1月から3月までの3ヶ月間については、訪日旅行全体で6ポイント減のマイナス12ポイントを予想。旅行会社からは「インバウンドブームもピークを過ぎ、取り扱いも前年を割る状態が続いている」という声が挙がっており、JATAは訪日旅行者がFIT化し、旅行会社が取り扱う団体旅行が減少傾向にあるとの見方を示している。また、桜の時期が人気で、顧客の希望通りの手配をすることが難しくなっているという意見もあったという。

 業態別では「ネット系旅行会社」が25ポイント増の50ポイント、「リテーラー1」が9ポイント増のマイナス9ポイントと改善する一方、「リテーラー2」は16ポイント減のマイナス26ポイントに。「総合旅行会社」は10ポイント減のマイナス3ポイント、「インハウス」は8ポイント減のマイナス8ポイントで、ともにマイナスに転化する予想だ。

 方面別では九州が5ポイント増のマイナス28ポイント、TDRを含む首都圏は2ポイント増の6ポイントとなり、それ以外の方面は今期を下回る見通し。最も減少するのは関東で10ポイント減のマイナス24ポイントに。このほか、北海道が5ポイント減のマイナス1ポイント、関東/関西間のゴールデンルートが5ポイント減のマイナス3ポイントとなり、マイナスに転じるという。

 顧客層別ではすべての客層が減少。訪日客の出身国別では豪州が4ポイント増のマイナス15ポイント、韓国が3ポイント増のマイナス20ポイントでそれぞれ改善を見込む。中国は今期並みのマイナス12ポイントを予想。このほかは今期を下回る予想で、最も減少するのは欧州で14ポイント減のマイナス14ポイントを見込む。

 17年4月から6月までの3ヶ月間については、訪日旅行全体で6ポイント増の0ポイントを予想する。