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現地レポート:韓国・京畿道、歴史に触れられるソウル郊外

  • 2016年8月18日

韓流ドラマなどフックに観光をアピール
「ソウル+α」の魅力を発信

龍仁ではロケ地巡礼も
利川で陶芸文化に触れる

龍仁大長今パークの見学には1時間半程度の時間が必要。パークは傾斜地に造られているため、動きやすい服装で行くと良い  韓国民俗村のほかに韓流ドラマのロケ地として有名なのが、同じく龍仁にある「龍仁大長今(テジャングン)パーク」(旧MBCドラミア)だ。韓国の民間放送局である文化放送(MBC)が時代劇の撮影のために造成したロケ地で、約250万平方メートルの敷地に三国時代や朝鮮時代などの生活空間が再現されている。また、パーク内には宮廷衣装の試着や記念撮影などができる体験施設も併設されており、「イ・サン」など人気ドラマの主人公が着用した衣装などが展示されている。

人里離れた山中の観光地だが、多言語に対応している。日本語のちょっとした間違いはご愛嬌  龍仁大長今パークは11年から一般向けにも開放されるようになり、昨年の来場者数は約10万人。そのうち4割が日本人などの外国人だったという。ソウルから1時間半程度の山中にあるため交通の便は良くない。しかし今でも週に3、4日程度はドラマの撮影をおこなっているため、熱心な韓流ドラマファンのなかには個人で訪れる人も多い。FAMツアーの際にも複数の日本人旅行者を見かけた。

伝統的な作品を扱う店からモダンな作品を扱う店まで、多様な陶磁器に触れることができる  龍仁大長今パークとあわせて訪れたいのが、陶芸家たちの店が50軒ほど並ぶ「利川陶芸村」だ。パークから車で40分程度の距離に位置し、ソウルからも約1時間で訪れることができる。利川は南漢江の支流が流れる地域に位置し、水に恵まれていることから、流域では陶芸が発達。10年にはユネスコが選定する「ユネスコ・クリエイティブ・シティズ(創造都市)・ネットワーク」の工芸部門に指定された。広州や驪州(ヨジュ)など他の陶芸が盛んな地域よりも規模が大きく、現在も300以上の窯元で700人以上の陶芸家が活躍している。

 利川では毎年4月から5月にかけて、「利川陶磁器祭り」が開催される。多くの陶芸家の作品が展示、販売されるイベントで、年々規模が拡大しているという。また、京畿道ではそのほかにも陶磁器をテーマとした国際的イベント「京畿世界陶器ビエンナーレ」が2年に1度開催されている。利川・広州・驪州の3都市の陶器祭と同時期におこなわれ、国内だけでなく、世界中からさまざまな国の陶磁器が集められる。

米飯定食は1人に1つの釜飯が用意される。おこげは残しておき、お湯を入れてふやかして最後に食べるのが韓国流  ちなみに、利川は米どころとしても有名で、「米飯定食」という米をメインに味わう料理を出す専門店では、釜で炊いた米と数十種類の田舎料理のおかずを楽しむことができる。おかずは山菜を使ったものが多く、ご飯がすすむピリ辛のものから、チヂミや魚の煮付けなど辛くないものまで色々と出てくる。利川を訪れた際には、是非一度試してもらいたい。